2011年4月28日木曜日

【動画】:FNマリーヌ・ル・ペンが36%で、仏労働者に人気

数日前にサルコジ大統領は労働者の票を獲得しようとフランス北部のアルデン地方にでかけた。
しかしこの2007年で使用した方法はうまくいかなかった。サルコジはがっかりしている。労働者たちは極右政党、国民戦線(FN)フロンナショナルマリーヌ・ル・ペン党首のほうへ向きをかえてしまったようだ。






「日曜新聞」(JDD)のために世論調査をした調査会社(IFOP)によると、労働者では36%がマリーヌ・ル・ペンに投票し、出馬すると見られている社会党(PS)元経済相で現国際通貨基金(IMF)専務理事のドミニク・ストロスカーンは17%で大きな開きがあった。サルコジの労働者の支持は15%にすぎなかった。

他方、この調査での驚きは、労働者に最も近いと見られているジャンルック・メランション左派党議長(Parti de gauche)とオリビエ・ブザンスノ反資本主義新党(NPA)はそれぞれ2%と1%であった。

この極右翼の躍進は大統領官邸エリゼ宮殿を心配させている。

2007年の仏大統領選挙では労働者の26%がニコラ・サルコジに投票した。社会党(PS)のセゴレーヌ・ロワイヤル前大統領候補には25%の労働者が投票した。フランスの極右政党、国民戦線(FN)フロンナショナル党首のジャン・マリ・ル・ペンには16%の労働者しか投票しなかった。

サルコジは「フランスは早く起きる」とキャンペーンの標語にして(2007年の大統領選挙では)労働者の獲得を狙っていた。しかし雇用や消費力向上など結果が見らられないままだ。今ではそのサルコジ不人気の結果をマリーヌ・ル・ペンの社会的演説が獲得しているようだ。
上記の【仏ビデオ訳】はフランス語YouTubeからの拙訳。

フランス大統領官邸エリゼ宮殿の心配は、2007年の大統領選挙の第2次投票にあった。はたしてそこでサルコジが勝利できるのかという心配であったわけだ。今回の心配は第一次投票での心配が現れてきたというのが一応の見解であろう。

それはサルコジ大統領の支持基盤である現政権与党の国民運動連合(UMP)と国民戦線のマリーンヌ・ル・ペン党首とは同じ支持層を共有するところがあるからだ。

ペンを上回る右傾化の方向でサルコジの政策が展開されてきている。フランスの移民やフランス人のアイデェンティティー・ナショナル( l’identité nationale国民の同一性 )」論議などだ。

イスラムを烙印(スティグマ)視することで保守派の国民感情を統合しようとする作戦だ。フランス国民の視野は右へ右へと移動されていて左派的立場の正当性を困難にしてきている。

その意味でも政府の選挙対策的な政策のこれまでの効用が現れてきたというのが、今回の世論調査で指摘されたとも考えられる。そういう意味で興味深いものになっている。

「マリーヌ・ル・ペンが労働者に36%の人気」という裏に、じつはそういう大統領官邸エリゼ宮殿の喜びそうな進展が証左立てられているのだと考える。

問題は何時、何処でどのような形で双頭の頸(くび)であるマリーヌ・ル・ペンの頸を叩き落とすかだ。またこれをFNはどう防御し応戦するのか、しないのかが注目されるところである。