2011年4月6日水曜日

【コラム】 福島1ヶ月後、仏国営ラジオで「原発基地訪問者」が語る 危険性と安全性 

福島の地震・津波・原発基地事故から1ヶ月を経てフランスでは原発基地への一般訪問が今週末まで可能であると国営「ラジオFrance Info」が6日の朝に伝えた。フランス中西部のポワトー・シャラントのシィボー原発基地では10日まで訪問が可能になったという。原発基地1時間30分ほどの訪問をした後に危険性と安全性の訪問者の感想が紹介された。

靴に保護のビニールをつけ頭にはヘルメットをつけて小グループで原発基地の中をあちこち訪問した
という。

原発基地の事故を探知する操縦室は安全システムによって隔離されていて凄いという印象が語られている。原発基地は何ヘクタールあるか知らないが巨大なものを感じるというのもあった。

原発基地の近所に住む男性のジョンさんの感想では、自分はいつも原水爆弾のことを考えている。もし日本のようになったら近くに住居がある我々は終わりだと、安心はしていない。

ある婦人は自分は安全だという印象を持ったとして、大きな煙突からは放射能の水蒸気が漏れ出ていると今までは考えていた。(訪問で)そうではないということがわかった。私は安心した。気持ちがよい。良い訪問をしてくださいと話を結んでいる。

私の印象では何故この原発基地訪問が今だけ可能になって、「ラジオFrance Info」での訪問者のインタビューが企画され報道されたがが不思議だ。福島のことを意識しての原発基地の安全性理解ということが目的になっているようだ。公平性のバランスを考えてはいるようだが、どちらかというと原発基地の危険性を説明する企画ではなかったようだ。説明を受けて安心する人もでてくるのは当然だ。

原発基地が安全ではないのは福島の地震・津波・原発基地問題が証明している。アレバ社のアンヌ・ローベルジョン社長もいうように不可測の事故が一度起こってしまえば我々はそこから引き起こされる放射能汚染の恐怖を操作することなどできなってしまう。それが原発の現時点での我々の認識であるはずだ。これをはぐらかしてはならない。次の機会には原発の危険性を理解するための原発基地訪問が企画されるべきであろう。