フランスの大富豪で化粧品会社オレアル社長のリリアン・ベッタンクール氏の元管財人パトリック・ド・マイストル氏がスイスの銀行からパリに金を取り出してサルコジ大統領選挙に資金を提供していた疑いが強くなっている。それはスイスの銀行家ルネ・メルケ氏は、マイストル氏が唯一スイスのベッタンクール氏の口座から金を引き出せる命令権を持っている人物であることを先週に証言したからだ。
ボルドー裁判所でジャン・ミッセル・ジャンティ判事によって審議されているベッタンクール・サルコジ問題で、メルケ氏はマイストル氏がスイスの口座に金を置いてパリで使えるようにしていたのは自己の利益のためではないことを今回、10月以来3度目の確認をしたとフランス通信(AFP)に示した。
このことが明るみにでてマイストル氏は3月23日から拘置されている。仏大統領選挙の最中であったためか、官製メディアはこれをあまり騒がなかった。
このことが明るみにでてマイストル氏は3月23日から拘置されている。仏大統領選挙の最中であったためか、官製メディアはこれをあまり騒がなかった。
10日9時30分から調べが行われていているが、判事は2007年から2009年にかけてスイスから7回にわけて400万ユーロ(約4億円)をマイストル氏がパリに送らせた理由を知りたいといっている。
第一回目のスイスからの送金は2007年2月5日であった。この日はベッタンクールさんの元管財人マイストル氏と当時サルコジ大統領の選挙運動の金庫番で元財務相でもあったエリック・ブルトが会合する2日前であった。サルコジ氏自身も2007年の仏大統領選挙の第1次投票と第2次投票の間にベッタンクール邸を訪問していることを示す指標が見つかったと判事は見ているらしい。ベッタンクール邸の訪問日誌には2月24日(土)の日付欄に「ニコラ S. 氏」と記載されているのが第1次投票の2ヶ月前に発見されている。
エリック・ブルト元財務相に関しては、マイストル氏に2008年1月にフランスの勲章レジョン・ドオヌール褒章を授けている。これはベッタンクールの個人財産管理会社へブルト大臣の妻フロランスさんが11月に就職した直後であったとインターネット新聞のメディアパーは明かしている。
今のところサルコジ関連の明快な証拠は何も見つかってないが、サルコジがベッタンクール邸を訪問したのは返礼であったとの見解もある。
ベッタンクール氏は精神的な脆弱さが2006年ごろから指摘されていて、オレアル社長の財産横領と同時にニコラ・サルコジ氏の2007年の仏大統領選挙への運動資金援助が問題になっている。
【参考記事】
Affaire Bettencourt: l'étau se resserre autour de Patrick de Maistre
http://lexpansion.lexpress.fr/economie/affaire-bettencourt-l-etau-se-resserre-autour-de-patrick-de-maistre_293940.html
http://www.mediapart.fr/journal/france/100512/bettencourt-le-juge-gentil-creuse-la-piste-sarkozy
http://www.mediapart.fr/journal/france/100512/bettencourt-le-juge-gentil-creuse-la-piste-sarkozy?page_article=2
Bettencourt: le juge Gentil creuse la piste Sarkozy
http://www.mediapart.fr/journal/france/100512/bettencourt-le-juge-gentil-creuse-la-piste-sarkozy
http://www.mediapart.fr/journal/france/100512/bettencourt-le-juge-gentil-creuse-la-piste-sarkozy?page_article=2