2012年10月11日木曜日

個人を狙った調査がエリゼ仏大統領官邸から サルコジ氏が捕まる可能性も

10日、ナジャ・バロー・ベルカッセン女性権相・政府スポークスマン(Najat Vallaud-Belkacem )は記者会見し、前サルコジ政権のような調査の誤用や私的な個人の権利を侵害する調査はオランド大統領の現政権では良しとしてないと発言した。このベルカッセン女史の発言は、9日に贈賄と闘う協会であるアンチコー(Anticor)が公共財の横領と情実による犯罪としてエリゼ大統領官邸の調査のあり方で再度の告訴をしたことに対応した政府の姿勢を示すものとして注目される。

大統領官邸はサルコジ大統領時代に100ほどの調査940万ユーロ(約9億4千万円)をしたことで、その依頼会社の選択では告示もださずにサルコジ前大統領の側近の調査会社を使っていたことと、調査対象が個人を狙ったものであり人権侵害が想定されるとして告訴を提出した。

アンチコーでは2009年7月に第一回目の告訴をだしていたが、大統領保護権によって裁判で裁くことはできなかった。これに関してもオランド大統領の考え方は異なっていて、大統領の特別保護権の廃止を自ら宣言している。

今回の告訴は、欧州エコロジスト・緑の党(EE-LV)の入手したサルコジ前大統領時代にエリゼ大統領官邸が調査会社を利用した時の調査研究書、その領収書や契約書などが添えられたものでより詳細な訴えとなっている。

サルコジ氏時代のエリゼ大統領官邸が行っていた調査では、2007年の対候補となったセゴレーヌ・ロワイヤル氏や国際通貨基金(IMF)前専務理事ドミニク・ストロスカーン(DSK)氏、妊娠したサルコジ氏の友人であるダチ氏。サルコジ氏の側近のミッシェル・アイオマリ外務大臣(前内相、元防衛相)がベンアリ側近からのチュニジア豪華接待家族旅行に関する国民の反応調査など、個人や党派を焦点にしたもので、世論調査では禁止されている筋のものであることが指摘されている。今後の裁判所の判決でサルコジ前大統領が取り押さえられることになる可能性が高まったと同協会の弁護士は見ている。

同協会の告訴情報が発表された9日はカナール・アンシュネ紙の出る日であったが組合のストでフランス中の新聞が配達されず店頭に並ばなかった。しかし朝の仏国営ラジオ・フランス・アンフォは短く事件を伝えている。

【参考記事】
http://www.franceinfo.fr/politique/sondages-de-l-elysee-sarkozy-vise-par-une-nouvelle-plainte-763603-2012-10-09

Sondages de l'Elysée : Sarkozy visé par une nouvelle plainte



http://www.leparisien.fr/politique/sondages-de-l-elysee-une-nouvelle-plainte-vise-nicolas-sarkozy-10-10-2012-2220411.php
Sondages de l'Elysée : une nouvelle plainte vise Nicolas Sarkozy

http://www.lemonde.fr/societe/article/2012/10/10/sondages-de-l-elysee-le-systeme-buisson-mis-au-jour_1772866_3224.html
Sondages de l'Elysée : le système de Patrick Buisson mis au jour

http://www.liberation.fr/politiques/2012/05/24/sarkozy-a-sonde-pour-94-millions-d-euros_821284
Sarkozy a sondé pour 9,4 millions d’euros