7月27日(金)から28日(土)の朝にかけてパリ北郊外のサンドニ市でロマ人キャンプが夜襲を受けた。十数人のアフリカ系住民による「懲罰隊」の夜襲の標的にされたロマ人の女性2人が負傷したと報道された。その内の1人は重症だという。彼女たちは1998年のワールドカップ開催のサッカー競技場として有名な、「フランス・競技場」付近のドゴール大通りに駐車したキャンピングカーに泊まっていたところを襲撃されたという。
加害者たちは鉄棒や野球バットなどで武装していた。頭部を負傷した42歳の女性の方は生命の危険がありパリ東部近郊のクレテール市(バアルドマルヌ県)のモンドール病院で手当てを受けている。
セーヌサンドニ県の司法警察は組織的な殺害未遂の疑いで調査を開始した。パリジャン紙fr.などによると事件のあった現場付近は監視カメラがなく今のところ詳しい事情はわかってない。
5月末には同地区で高速A1にあったロマ人キャンプの掘っ立て小屋がブルトーザーで倒壊されている。 協会側(RromeuropeやPlateforme93)では、200人から300人のロマ人(そのうち子供60人)ほどが着の身着のままで路上に放り出されたと当局を批判していた。
マニュエル・バルツ仏内相は、「非公式キャンプはみんなが一緒に住むための障害になっている」と語った。左派系新聞リベラション紙によると、8月末に省庁間通達で、「随行取り壊し」をしなければならなくなる」としているが、協会側ではこの通達は特殊な場合の措置に限るものでしかないと見ている。
ロマ人問題ではサルコジ前大統領のような排斥型の立ち退きを迫るやり方が欧州審議会から批判されてきたが、社会党政権のフランスはこの問題をどのようにサルコジとは違った人権を尊厳した方法でオランドが解決するのかが注目されている。
フランスには現在ロマ人キャンプは400百ほどあって、2万人が住んでいる。その3分の1は子供だと県側では見ている。
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