2013年8月12日月曜日

リヨンで極右活動家の「火炎瓶イスラム寺院投げ入れ計画」を 仏国内情報中央局が未然防止

 リヨン北部のモン・ヴェルダン軍事飛行場で23歳の右翼活動家がテロリスト産業関連の火薬所持と宗教礼拝場不遜の容疑で4日前に逮捕され尋問をうけていた。極右過激派系の思想をもっているとされる同青年は、ローヌ県のリヨン南近郊のヴェネシューにあるモスケ(イスラム寺院)に火炎瓶投下の計画をもっていたことがわかった。11日にマニュエル・バルツ内相は記者会見で仏国内情報中央局(DCRI)の活躍で更なる被害を未然に防止できたと賞賛した。

 青年は昨年8月にはボルドー東部のリボルンヌで、犠牲者はなかったが火炎瓶をイスラム寺院に投げ込んでいた。

 この内相の賞賛の裏には、2012年のトゥールーズとモントーバンでのメラ青年による連続殺害事件でサルコジ政権が青年がパキスタンやアフガニスタンを旅行しアルカイダと接触していたことを事前に知りながらこれを泳がせておいた為に連続殺人事件が起きたとして、未然防止ができなかったことに対する暗黙の批判が込められている。

 当時サルコジ前大統領は記者会見で、「自分が仕掛けたとでもあなた方は思っているのだろう」と記者たちを前に話している。

 ここにはイスラム教徒による連続殺害事件テロをテレビ・ラジオのメディアが毎日のように大きく取り上げることによって、仏国内の反イスラム感情を高めて2012年の仏大統領選挙の直前のとこもあって右派票獲得を増大させようとする画策があったと取られる疑惑が高まったためである。

 サルコジ氏の上掲の話しもそういうコンテクストで記者に答えたものであったと分析されるからだ。意識的に偽装された反イスラム主義ということか。

 反イスラムの宣揚は政治家がメディアを使って右派系市民の糾合に使用された例としてメラ事件は重大な事実をのこした。メディア研究家の今後の更なる分析が待たれる分野であると思う。

 バルツ内相は数日前のラマダン(断食)中にイスラム寺院を訪問して、大学内でのイスラム女性のフラー(顔を隠す被り物)着用禁止を論議(デバ)することを提案していた。そのこともあってリヨン郊外での今回の青年逮捕は現政府の「イスラム嫌い」(Islamophobie)が表面化したものではないかと見てパリのイスラム教寺院の教師は批判している。仏国営ラジオ・フランス・アンフォでは報道している。

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2013年8月6日火曜日

仏大学の教室で イスラム教徒の女学生のフラー禁止がデバに

http://franettese.blogspot.fr/2013/08/blog-post_5184.html

2013年3月08日

【参考記事】

Il projetait de "tirer à l'arme à feu contre une mosquée" près de Lyon