2013年11月8日金曜日

仏国語教育、「11歳台の20%」が読み書き困難

フランスの新学期は9月5日から始まる。8日のユネスコ「国際識字デー」を前にフランスのメディアでは国語教育が問題になっている。欧州の15歳の生徒の20%ほどが文章を正しく読んで理解できないのだと仏国営放送テレビA2は報道した。フランスで最大級の発行部数を持つ夕刊紙「フランス・ソワール」(2日)によると国語教育の方法が総合的なグローバル・メトードになっていて昔のボッシュ方式と呼ばれる文章の単語を音節ごとに区切って読むことに重点を置かなくなってきているのが原因で、フランスの11歳台では20%が読み書きに困難になっている。父兄などが学校での国の教育方法を批判する論議が起きているのだという。
これまでのグローバル・メトードの弱点の反省からセミ・グローバルといった手段がとられてはきたが、現在小学校の初学年でボッシェ方式に重点を置いているのは8%ほどで76%はグローバル方式との混合型であるといっている。
しかし国語教育が教師の質やテクニックだけではなくクラスの生徒数によって大きく異なった結果を生むはずで、国の教育予算や教員数の増加と大きく関係していることも事実だ。この点は教員削減化にあるフランスのためか、テレビではあまり指摘されてない。
教師が放っておいてもできる子供といくら手を掛けてもなかなか向上しない子供がクラスには10%づつは必ずいるのが普通なので、この上と下を補助する教師の存在やクラスの時間数が本当は教育の要なのだとの意見も古くからある。国語教育はあらゆる学問や社会生活の基本であり将来の個人的な可能性を開きもし閉じもする。
「フランス・ソワール」だが、そこでは1975年からブルターニュ地方の首都レンヌ近くの公立中学校の高学年を担当してきたマルク・ブリスさん(58歳)のインタビュー記事が掲載されている。「今年の八月(バカンス)は自分の生涯の中で始めて安心して寝れた」とし「これで気兼ねなく自由に話せる」と定年後の感想を語っている。
同氏によると教師の最大の喜びは生徒が進歩した時であるという。ところが今の学校教育のやり方では子供の読書力も計算力も低下するのではないだろうかと心配している。同氏は伝統的な音節読みの書き取りと作文の訓練を薦めるボッシェ方式の擁護者なのだ。文字を音節として解読させないで文章の全体から文字の意味を推測させるやり方では何世代かの後には読書力が低下して文盲をつくってしまうのではと嘆いている。同氏はそれが社会の悪化につながるともいっている。言葉はできるだけ簡略化して記憶するのが最良なのだという。(本文の初出 /2011年9月4日 )