(パリ=飛田正夫)セリーヌの評価は変わるか?フランスの世界的に有名な文学者で「夜の外れで」などの著書でしられるルイ・フェルデナンド・セリーヌが第二次世界大戦前夜に書いた3つのパンフレットをまとめて再出版することをガリマール社が発表した。しかしペタン元帥と共にナチス・ドイツに協力した人でもあり、戦後はデンマークなどに逃げていた。その激しい反ユダヤ主義と人種差別の論調の再出版が問題視されていて、人権アソシエーションの立場からは怨念を炊き起こすものとして出版反対の意見が上がっている。言論・出版の自由に圧力を掛けることには反対だとしても、その内容がヒトラーの「我が闘争」と同様に人種差別の憎悪に満ちたものであるために、再出版に当たっては専門家による厳重なコメントを付して、読者に勝手な解釈の余地を与えない注意が必要だというセリーヌ研究家の大学人の立場もある。エドワー・フィリップ仏首相まで巻き込んで、大きな論議をフランスで起こしているのは105歳のセリーヌ婦人がこれまでは出版に反対だったのだが、最近態度が変わったからだ。しかしガリマール出版社は未だにその出版期日を明確にしていない。(日本時間 ;10/01/2018 10:52)(仏時間 ;10/01/2018 2:52)
【参考記事】
http://www.lepoint.fr/culture/serge-klarsfeld-veut-l-interdiction-de-la-reedition-des-pamphlets-antisemites-de-celine-20-12-2017-2181569_3.php
http://www.huffingtonpost.fr/2018/01/06/edouard-philippe-favorable-a-la-reedition-des-pamphlets-antisemites-de-celine_a_23326047/
http://www.leparisien.fr/actualite/edouard-philippe-n-a-pas-peur-de-la-reedition-des-textes-antisemites-de-celine-07-01-2018-7488003.php
https://www.franceinter.fr/emissions/la-marche-de-l-histoire/la-marche-de-l-histoire-08-janvier-2018