2014年2月10日月曜日

スイスは国民投票50.3%で 「移民割り当て法」実施へ 欧州諸国との亀裂が危惧

スイスは9日の国民投票で「多数の移民に反対」に50.3%を投票した結果、「移民の割り当て法」が実施されることになった。このことで欧州諸国との関係が完全に振り出しに戻されるために今後の亀裂が危惧されている。投票率は通常の選挙での平均44%に比べ、今回は56%と市民の関心の高さが現れた。フランス人の場合では国境を越えてスイスに毎日働きに通っている人は18000人もいる。スイスの企業主は外国人なしでは、能力の面でも不可能だ。やっていけないと移民の割り当てを気にしている。
スイスは人口800万人ほどのアルプス山岳地帯の国で、欧州連合に加盟していないが周囲はすべて欧州加盟国だ。

2013年のスイスの移民数は188万人で全人口の23.5%ほどである。圧倒的に多い欧州諸国からの移民では、イタリア系の291000人と、ドイツ系の28420人が一番多い。その後にポルトガル系が237000人、フランス人が104000人と続く。

これまでスイスは欧州との5年間の協定で欧州諸国の5億人に対して労働市場を開放してきた。これからは年間最大8000人しか移民が来なくなる。

欧州諸国とは裏腹にスイスの経済状態は良く失業者も少ない。これまでヨーロッパから少なくとも年間80000人ほどの労働者を受け入れていた。そのために企業側は移民の受け入れ制限は国の繁栄を停止させることになるとしてこれを嫌っている。

欧州側は、もしスイスが欧州の自由な経済と往来をうたったシュンゲン協定を終結する場合には他のスイスとの協定も停止する構えを示している。