カラチ殺害テロ事件は8日に判事によってパキスタンへの仏潜水艦売り込み還流(違法)コミッションがフランス政府側にわたったと見られているために当時の責任者であったバラデュー元仏首相とフランソワ・レオター元国防相を裁判所で調べることにした。一方、ニコラ・サルコジ氏はバラデュー元仏首相の大統領選挙運動の責任者でもなく同選挙の金庫番でもなかったとして単なる参考人として裁判所で尋問されることになった。
しかしカラチでテロの犠牲者となった遺族側弁護士のオリビエ・モーリス(Olivier Morice)氏は、当時のパキスタンにアゴスタ潜水艦(90B)売り込みに関係し契約に調印していて、1990年代にフランスからの売り込み賄賂(当時は合法コミッション)資金のパキスタン側への仲介所としてスイスに架空銀行のフォルモイル(Formoyle)やエイネ(Heine)の開設承認をしたのは当時バラデュー政権下の財務相でバラデューの大統領選挙のスポークスマンであったサルコジ氏だとされていて、絶対にサルコジ氏が無関係だとはいえないと同弁護士は言っている。サルコジ氏もバラデュー氏と同じく裁判所で裁くことを要求した。
他方、パキスタン側に渡らずにスイスに設立した架空銀行エイネ(Heine)からフランス側政治家へと逆流した、つまり還流コミッション(当時から違法)がレバノン人ジアド・タキエディン(Ziad Takieddine)氏が仲介役となってそのフランスへの運び屋がサルコジ氏の長年の友人チェリー・ゴベール氏などであったことが証言で次第に明らかになりつつある。
カラチ殺害テロ事件は、フランス造船局DCNI(DCN、当時は国営)技術者11人が2002年5月8日にパキスタンのカラチ南部で2002年5月8日に殺害された事件。このパキスタン側への仏潜水艦の売り込みに関係する仏政府側への見返り(不法)のコミッションが1995年のバラデュー元仏首相の大統領選挙運動資金に流れたと見られて、それを知った対候補のシラク大統領がパキスタンへのコミッションの流れをストップさせたことからパキスタンのカラチで潜水艦の建造に当たっていた仏造船局(DCNI)員が報復テロを受けたと考えられている。
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