2014年9月26日金曜日

ネット・新聞「メディアパー」が購読者10万人達成 政治の真実を追って7年目


2階フロワーがネット・新聞「メディアパー」
(写真撮影は筆者)
9月25日22時15分にフランスの政治の真実を追うネット・新聞「メディアパー」の購読者が10万人になった。「メディアパー」は7年前の2007年6月18日から始まった。10万人の購読者というと大手新聞のルモンド紙やフィガロ紙の半分ということになる。この記念すべき日に特別番組を組んで「メディアパー」は祝っている。「メディアパー」のプレネル会長は現在52人の社員がいて27人は男性。ジャーナリストは36人。サービス関係が16人などと話した。そして「メディアパー」が独立した経営でどんな広告も掲載しない読者が参加する新しい完全なプレスであることを宣言している。現在の経営は黒字だが「メディアパー」は太ることを考えないという。これまで編集室がテレビ放映スタジオになっていたが、今後はテレビ局を現在の2階フロワーの上の3階に設けて事業を拡大していくと抱負を述べている。戦うメディアにはつきものだが、プレネル会長は「メディアパー」はこれまでに54件の裁判があり、小さな間違いで2件の裁判が敗訴した。しかし27件の裁判では勝っている。現在係争中のものが21件あると報告した。




9月25日22時15分に10万人目のメディアパー購読者が
達成された。
10万人の購読者達成で沸き立つメディアパーのスタッフ。

「メディアパー」はインターネット新聞として独自のスタイルで開始された。当時はネット新聞はすぐに行き詰り廃刊されると見られていた。ネット新聞の経営モデルがまだなかったことも大きい。しかし「メディアパー」には独特の力があるようであった。それはプレネル会長やモーディ氏やボネ編集長などの強いジャーナリズムへの意欲ではないかと思う。そのような「メディアパー」の胎動を取材して「週間金曜日」に掲載してもらった。(参考、「政権交代とメディア」「週間金曜日」2010/1/22 783号、「世界のジャーナリズム最前線」「週間金曜日」創刊20周年号 2013/11/1 966号)

資金が乏しくて飛行機代もなく、つまり、現場に駆けつけるのに遅れてしまう。そのかわり別の視点から少し別の、少しずれのある。ニュアンスの異なる記事を書いていこうと決めたのだという。

同じ理由からだが、同時進行する各国の事件、たとえばアラブの春では別の場所を相対的に比較して見ることができ筋が一本ではなかたことがわかったとトーマス記者はいっている。(メディアパーは)時間をもって少し遅れるが、どうなっているのかわからないで急いで書いている新聞やテレビとは異なり、これを探って調べドキュメント化したルポルタージュを発表できたという。

「メディアパー」では事件が一つの立場からの解釈しかないのではなく異なる立場の違いを見つけ出すことをしたという。現在でもイスラム国の例などテロリズムに直結しているが、どんな状態なのかを調べもせずにまったくわかってないで頭で書いている。国内の事件記事よりも国際記事にはそうした政府のイデオロギーの宣伝をメディアが踏襲させられている場面が多いのだと指摘している。


【参考記事】

http://www.mediapart.fr/

http://www.dailymotion.com/video/x26mq11_mediapart-dit-tout-mediapart-est-une-officine_news