「メディアパー」が入手した 「ムサクサ文書」 |
ムサクサ自身は、現在はリビアを離れカターに亡命しているが、8月5日に判事が明かした調査では「ムサクサ文書」の「内容は危険なものだが、本ものだ」しかし「サインは自分が署名したものではない」とムサクサ自身が宣言したと報告されている。
「ムサクサ文書」の真偽性に関し、他の関係者の証言が調査官によってあがっている。そのひとつに7月7日に警察が提出したもので、これに関係していた軍人と外交官の調書要約レポートがある。
2008年から2011年まで在リビアのフランス大使であったフランソワ・グヨット(François Gouyette)氏は「ムサクサ文書」は本物であると認めている。
カダフィの通訳を務めていたモフタフ・ミゾオリ(Moftah Missouri)氏は、2013年6月20日の仏国営放送テレビ・アンテナ2のカメラを前にして「ムサクサ文書」が本物であると証言している。
「ムサクサ文書」はリビア高官によって作成されリビア資金の一部がサルコジへ送られたことになる。この送金に関係したことを証明しているのが現在リビアで監禁されているバグダディ・アリ・アル・マフムディで、同氏はチュニ裁判所に自分がサルコジに金を送ったと宣言している。
仏空軍のブルノ・ブリノー(Bruno Vrignaud)氏は元トリポリの防衛付き軍人だ。同氏も6月27日に、「ムサクサ文書」のテキストや書き方や書式というのが本物である証明になっていると語った。
「ムサクサ文書」の書式や使用された便箋、文書ヘッドや日付けなどの書式などから、これは当時のリビア政権が公式に使用していたものであることがわかっている。さらにこの文書内容が非現実的ではないことが何よりも重要であるとしている。
「ムサクサ文書」はアラブ語で書かれているために、サルコジ側近のベルナール・スカルシニ元警視総監(DCRI)は、我々には言語的に調べる手段を持たなかったので、この「ムサクサ文書」に関しどんな調べもしてこなかったことを明かしている。
スカルシニは2017年のサルコジの仏大統領選挙運動責任者に抜擢されたばかりだが、サルコジの2012年の敗北後はサルコジ弁護士事務所の所長をしていた。
そのために、「メディアパー」によると、多くの新聞ではDCRIの調査した「ムサクサ文書」に関するレポートはないことになっていた。
【参考記事】
http://www.mediapart.fr/journal/international/200613/kadhafi-finance-sarkozy-la-confirmation
http://www.mediapart.fr/journal/france/260914/sarkozy-kadhafi-l-enquete-judiciaire-conforte-le-document-de-mediapart