2015年7月7日火曜日

トマ・ピケティがドイツ戦後賠償と同じくギリシャの借金返済解除を提言

ギリシャの「国民投票」で明快な「反対」の意思表示がなされた翌日に、「21世紀の資本」の著者として有名なフランスの経済学者トマ・ピケティはドイツの新聞「Die Zeit」のインタビューに答えた。ピケティは「Capital au XXIe siècle」で不平等を分析して以来、世界中で最も影響のある経済学者の一人である。ギリシャを緊縮財政の中に据え置いて置くことは不正であり許されない。ドイツ戦後賠償と同じくギリシャの借金返済解除を提言している。7日のSlate.fr紙が報道した。(パリ=飛田正夫2015/07/07 21:06日本標準時 )


ピケティは、「特にドイツの保守派だが、ヨーロッパとヨーロッパの精神を破壊してきたことは、驚くべき彼らの無知にあった」( … )「ドイツは負債を全然返済してこなかった」

ピケティはドイツが犯したヨーロッパの破壊行為を彷彿させたのである。

ジャーナリストはここでピケティに対し質問した。

―ということは、ドイツの驚異的な復興が、我々が現在ギリシャに対し拒絶しているような援助の上に築かれてきたことを、我々に説明しているのですか?
―あなたは我々ドイツにしたと同じような種類の援助をギリシャにもするように言っているのですか?

―ピケティ そのとおりです

戦後になされたインフレーション対策、私的富裕財産税、ドイツの借金返済解除、この3つの方法手段をつかって。

-ピケティ ヨーロッパは、未来への投資と借金返済解除によって基礎づけれているので、無限の罪の償い人の思想の上にではないのである。我々はこのことを思い出すべきである。
我々は親の犯した罪を何代にも渡って子供が支払うべきだとする要求はできない。
我々は何の疑いもなくこれをギリシャにしたのだ。これは大変な誤りなのである。

トマ・ピケティによると、現在、若い世代に借金を背負わせることは、戦後のドイツの若い世代が罰せられるべきことを意味することになってくるという。ピケティは、欧州会議を開催しそこでギリシャだけでなく債務で困っている国々の借金返済解除を決めるべきだと提言した。これは避けられないものであるともいっている。

そしてピケティはドイツのメルケル首相に対し、「現在のヨーロッパからギリシャを排除したい者はゴミ箱に入って終わるのが歴史である」と呼びかけている。

【参考記事】
http://www.slate.fr/story/103989/piketty-allemagne-jamais-rembourse-dettes
Piketty: «L’Allemagne est LE pays qui n’a jamais remboursé ses dettes»