2015年12月15日火曜日

仏地方選挙で、サルコジは作戦を批判した「共和党」№2を解任・追放

(パリ=飛田正夫2015/12/15 3:34日本標準時)14日午後に「共和党」(LC)(前の国民運動連合UMP)のサルコジ党首は、仏地方選挙で自分の作戦が批判されたことで、「共和党」(LC)内部の重鎮で、同党№2のナタリー・コシウスコ・モリゼ(NKM)を執行部から解任し追放した。これに対し、NKMは、「自分の考えに合わない者を追放するスターリンの考えかたと同じだ」とサルコジの言葉を批判して答えている。ブルノ・ル・メール元農漁業相は13日の夜のテレビに出演し、「共和党」(LC)の執行部全部を取り換えるべきだと話している。14日昼のフランス国営放送テレビA2の政治報道ジャーナリストのクリック・サンクレールさんは、このル・メール氏の意見が一番いいのではないかといつになく面白いことを話した。

党内分裂は避けるべきだとのボルドー市長アラン・ジュッペ仏元外相の意見もあるが、同氏はサルコジよりもずっと人気があり次期の大統領選挙候補を狙っている立場からの意見であることは言うまでもない。イルドフランスで僅差で勝ったヴァレリー・ペックレスさんも選挙中の講演会にサルコジを招待しなかった。サルコジの作戦が自分に有利なイメージを与えないことがあったようだ。FNからの票を得て勝利したとは見られたくないからだ。

ドイツなどの大政党がフランスには無く、今後のフランスでの政党再編成が、今回のFN防衛の為に行われてた北部や南仏での選挙成果を例にその可能性が話題になっている。

サルコジは仏地方選挙の第一次投票終了後に、決選投票では「ni-ni」作戦をとって社会党候補にも極右派系国民戦線(FN)の候補にも決選投票では票を入れないように社会党や左派連合との共闘をわざと避けさせてFNの票を「共和党」(LC)に持ち込もうとしたようだ。

このサルコジのFNを阻止しようとしない作戦をナタリーさんやラファラン元首相が批判していた。社会党(PS)は第一次投票で第三位になった地方では、決選投票では選挙を降りて、二位の「共和党」(LC)を支援するように指示している。この社会党(PS)や左派連合の支援で、北部地方のグザビエ・ベルトランLC候補や南仏地方のクリスチャン・エストロジィLC候補が勝利している。

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