2015年10月22日木曜日

グルノーブル近くで葬儀に参列できない「旅の人々」で抗議 政治的利用での暴動拡大化も危惧 

グルノーブルの北西20キロほどにある小さな町モワラン(Moirans)で10月20日の午後に暴動が起きた。これは旅の人々(gens du voyages)と呼ばれるキャラバンを住居とした移動民が、刑務所から出してもらえなくて家族の葬儀に参列できないとして抗議し、旅の人々らしきマスクや覆面をした100人ほどが鉄パイプを持ち町の駅を襲撃した。線路には10台ほどの車が焼かれて横たわっていて電車は不通になっている。8月にはこの近くの高速道路がブロックされている。地方選挙が近いためにこの暴動が政治的に右派に利用されるのではないかと危惧するメディアもある。(パリ=飛田正夫 2015/10/22 0:04日本標準時

現在2人の刑務所に入っている子供の母親は子供の兄弟の葬儀に参列させてほしいだけだった。たとえ手錠をされたままでもかまわなかったし、警察が付いてきても良かったと話した。

フランスでは囚人も家族の葬儀には参列できるために、旅の人々はどうしてその権利が自分たちには適応されないのかといって騒いでいるわけだ。専門家によると騒ぎが拡大したのは旅の人々というのはロマ人などにもいるが、セディマンテールといってフランスに根を下ろしていてフランス人の親類も多いということから、このよな騒ぎになっているのでははいかと見ている。

イゼール県の知事によると夕刻には暴動は治まったと報告された。怪我人は出なかったが、駅周辺の商店などが盗難にあっている。120人の警察と100台の消防車が出動した。

フランスのカザヌーブ内務大臣が現地を訪問した。バルツ首相は、仏議会で裁判所の判断、警察の指示に従うことが国民の義務である。この判断に反旗を翻してはいけないと述べ、このような(人種差別的)暴動を誇大に煽って、政治的に利用して支持者獲得を謀る勢力のあることの危険性を指摘した。これは暗に、政府は権威が弱いと批判するサルコジ等の右派勢力への批判であり、サルコジ支持の右派系ラジオ・新聞やジャーナリストが火に油を注ぐのを牽制し、釘をさしたものだと言える。

このグルノーブルは、サルコジが移民二世の子供の再犯者に対してフランス国籍を剥奪するという差別発言をした有名な「グルノーブル宣言」と後で呼ばれる事件があったところだ。

【参考記事】
http://www.bfmtv.com/societe/moirans-c-etait-la-seule-solution-pour-qu-on-m-entende-temoigne-la-mere-du-detenu-923879.html

BFMTV  Société   Faits Divers
Moirans: "C'était la seule solution pour qu'on m'entende" témoigne la mère du détenu
 20/10/2015 à 23h38 Mis à jour le 21/10/2015 à 09h56

http://www.ledauphine.com/isere-sud/2015/10/21/moirans-aiton-gens-du-voyage-violences-mutinerie-prison
Moirans : un corbillard est arrivé au camp des gens du voyage
Incendie et mutinerie impliquant des gens du voyage à Moirans et en Savoie
En savoir plus sur http://www.lemonde.fr/police-justice/article/2015/10/20/violents-incidents-impliquant-des-gens-du-voyage-en-isere-et-en-savoie_4793494_1653578.html#KO4fXoulSD4mYlsV.99

http://www.lemonde.fr/police-justice/article/2015/10/20/violents-incidents-impliquant-des-gens-du-voyage-en-isere-et-en-savoie_4793494_1653578.html