サルコジをはじめ共和党議員はモラノを支持してこれまで人種差別に不鮮明な態度を取ってきたが、世間の批判が高まる中、ここに至って急激に態度や意見を変化させていた。
ナディーヌ・モラノと同様に人種差別主義者だと取られるのを恐れたかのようだ。
サルコジがモラノに手を差し伸べたのはそういう最終段階での10月6日になってからの話しなのである。モラノに手を差し伸べたと仏メディアは言っているが、サルコジの逃げであり保身だとみたほうが正しいようだ。
モラノ議員への謝罪要求は、人種差別的発言の直後になされたのではなくて、10日間も後まで世間の反応や様子を伺ってから、まずいと思って言い出したのである。
従って、モラノ議員の発言である、「共和国フランスは白人である」という人種差別の認識は共和党内に巣くい続けるサルコジをはじめとする悲しむべき問題であるわけだ。事件は今後も尾を引くことは間違いない。
ナディーヌ・モラノ共和党欧州議員が9月26日のフルキエー司会の深夜テレビ番組、「みんなはまだ寝ない」に出演し、そこで「我々のフランスはユダヤ系キリスト教徒の白人の国で、外国人たちを受け入れてきた」と主張し、これはドゴール将軍の言ったことであり、これを自分が言ったのだと主張し続けていた。
これまでに女優で動物愛護を声高に主張するブリジット・バルドーやペンの極右派系国民戦線(FN)からの元パリ市長候補者であるドゴール将軍の孫がナディーヌ・モラノ共和党欧州議員を支持していた。