2015年11月13日金曜日

65.7%「廃止すべき」は、フジ・テレビの、スター・有名人利用のファシズム的扇動効果統計

非常に面白いです。しかしこのフジ・テレビの調査のやり方は演劇的なパネルディスカッションを視聴者がスターや有名人に自己投影してこれをどう判断するかという同時進行的な、一種のファシズム的扇動効果の意識調査でもあります。私も、今からかれこれ37年ほど前ですが、野坂昭如氏と磯村英一学長を東洋大学の大講堂の舞台に上げて対立的発言をさせ、会場に集まった大勢の学生達に調査用紙を配り回答してもらうという企画をやったことがあります。ここでの問題は、話の内容よりも登壇者の考え方に引っ張られるということで演劇的世界空間のイデオロギー的な心理が回答されるというものでした。ファシズムの民衆扇動の場合も同じで、このようにして有名人やスター、芸能人を利用するのです。だから、 65.7%の「廃止すべき」は、スター・有名・芸能人などを利用してのファシズム的扇動効果の統計結果 だと考えるのです。(パリ=飛田正夫 2015/11/13 1:41日本標準時

 【参考記事】フジの生放送で松坂桃李、指原莉乃、長嶋一茂が「安保法制は廃止すべき」、視聴者調査でも66%が廃止に賛成
私は、あれ以降、大掛かりなこの種の調査はやってないし、その時も多くの点で初めての企画でもあったので、いろんな点でかなり不完全な調査ではあったと思う。
しかし舞台の演技者を見る者がつまり観客がどう意識を変化させるかという意識調査の新手法だと私は考えていたのです。野坂氏を読んできた四方君なんかはどうしていることやら。

このリテラのフジテレビを取材した記事を見ていて、懐かしく思い出します。当時はわたしはアーヴィング・ゴッフマンにヒントを得てこの調査をやったのですが、今は、この手の調査法はもっとソフィステッケされていて、良きにつけ悪るきにつけ民衆扇動の危険なものをもっているのではないかと見ています。新しい理論も出ているのではないか。
問題はその抽出のされ方と、その企画の裏の意図でもある。つまり意思決定の場としての演劇的空間を利用した世論調査の問題です。おそらくですが選挙投票もこのようになっていく危険を感じるのです。

良きにつけ悪るきにつけ。それが扇動の効果を煽るでしょう。一時的に戦争法が反対されてもこれを絶滅しない限り闘いは必要で、追撃は絶対必要です。それとこの戦争法と言うのは反対vs賛成の天秤に載せて量れるものではないのです。戦争法は「何となくヤバい」と多くの人が感じた結果なのだと早がてんしてしまうと、もう天秤にかけられてしまっているのです。

それが狙いで、それで終わりなのです。そうではなくて戦争法は「絶対にヤバい」というのではなくてはなりません。この舞台に上でああだこうだとしゃべっている人たちというのは、天秤にのせられている人たちで、観衆をそこに載せるために登壇しているのであって、これでは簡単にひっくり返ります。 ファシズムの扇動はこのようにして有名人やスター、芸能人を利用するのです。

【参考記事】
フジの生放送で松坂桃李、指原莉乃、長嶋一茂が「安保法制は廃止すべき」、視聴者調査でも66%が廃止に賛成
http://lite-ra.com/2015/11/post-166...