(パリ=飛田正夫2016/02/24 17:19日本標準時)(パリ=飛田正夫2016/02/24 17:19日本標準時)マース(Mars)というチョコレートの棒状の塊がフランスでは売られていて人気がありこの手の商品は他のメーカーでも作られている。しかしこのマースという商品の中から突起状のプラスチックがドイツで発見されたことから製品の回収と食べないようにとの警告ががなされた。商品を買わないようにテレビでは呼びかけている。オランダにある工場から出荷されてヨーロッパを中心に世界55カ国で販売されている。その他にスリランカやベトナムでも売られている。発売元の社長もプラスチックの異物は棘状のもので特に子供に危険だと話している。仏経済紙のレゼコーはどうして世界55カ国にチョコレート会社が大声で呼びかけているのかを分析して書いている。それは赤い小さなプラスチックの破片が1月に発見されたのがこの世界を大騒ぎさせた発端であった。米国の本社ではこの事故は個別のものであり、安全の為に意識的に呼びかけたという。
フランスでの関係する商品は、賞味期間で言うとマース(Mars)は9月4日から2016年10月16日のもの。スニカー(Snickers)は7月3日から2016年8月21日のもの。ミニアチュー・ミックス・チュボ(miniatures Mix tubo)7月10日から2016年9月11日。ボンボン・セレブラション(bonbons Celebrations )は6月19日から2016年8月21日までのものだと発表されている。しかし問題のあったオランダの工場だけでも400万個を生産している。フランスのアルザスのアグノー(Haguenau)工場では「マース」を含むチョコレート製品6500トンを作っている。ドイツのヴィエゼン(Viersen)では毎日1000万個のスナック«snacks »という製造している。棒状チョコレートマース(Mars)で有名な米製造グループは売上高330億ドルを誇っている。今回の事件がどの程度の被害を受けたかは今のところわかってないが、長い目でみて会社側の取った処置は好意的に受け入れられると見ているようだ。
食品の風評被害や実際に馬肉を牛肉に混在させて売っていたフランスのラザーニュ製品やガス入り飲料水ペリエやダノンの事件は暴露されたことから、特に今回の事件が大きな問題にはならないことと予測しての発表であり、逆にこれを機会にして会社側の食品に対するモラルの高さを世間に喧伝しようとしたのではないかと見られている。それにしても食の問題で世界の関心がピリピリしている時だけに人騒がせの宣伝ならばそれは威厳を欠いたブラックマースと呼ばれることになるだろう。
【参考記事】
http://www.lesechos.fr/industrie-services/conso-distribution/021718100695-le-confiseur-mars-rappelle-des-barres-chocolatees-en-allemagne-et-aux-pays-bas-1202333.php
http://www.lemonde.fr/entreprises/article/2016/02/23/rappel-massif-de-barres-chocolatees-en-allemagne_4870276_1656994.html
http://www.franceinfo.fr/emission/tout-info-tout-eco/2015-2016/mars-un-plan-com-et-ca-repart-24-02-2016-06-53