2016年4月15日金曜日

ストラスブルグの欧州議会は テロリスト対策で航空機搭乗者記録(PNR)の採用を決議

(パリ=飛田正夫2016/04/15 1:14日本標準時)ストラスブルグの欧州議会は14日、テロリスト対策と犯罪防止のために航空機搭乗者記録(PNR)の採用を461対179、棄権9で決議しこの情報収集を共有できることにした。今後は飛行機で旅行する場合には搭乗者は安全対策関係者に旅行行程を示し食事の費用決済方を知らせなければならない。これには最近まで反対があったが、2015年11月13日のパリ同時テロ射殺事件とベルギーでの3月22日のテロ襲撃事件とで考え方が大きく変わったもの。


予定では夏ごろに施行し2016年末には欧州全域で一般化する模様。これまで強く左派や特にヨーロッパ・エコロジー・緑の党(EELV)によって反対されてきたPNRには、旅行者が飛行機の旅券を買った時に個人記録が総て伝達されることになっている。氏名、住所、電話番号、銀行カード番号、旅程日程、エスカル、番号や荷物情報、旅行会社などである。2011年11月以後の米国のPNRは米国へ旅行する総ての人に義務づけていて人種や健康状態も記されていて警察はこの情報を操作し危険な人物リストと照合できることが許されている。

ヨーロッパでの実現は何時かというと、フランスは2014年にテロリスト対策でフランスから出発する飛行機とフランスに入る飛行機に義務付けはじめたが、これを効果的にする為に欧州共同体全部でのPNRをまとめる必要があった。そうでないとどうなるかというと、テロリストとみなされる者が自動車でフランス国外に移動して、ヨーロッパのPNR の無い国へ行ってそこから飛行機にのってシリアに行くことができた。この場合はフランスだけのPNRは回避されてしまったことになるからだ。テロリスト問題を理由にどこまでも個人情報の尊厳が開示されてしまう社会になってきている。

【参考記事】
http://www.20minutes.fr/societe/1826463-20160414-pnr-adopte-eurodeputes

http://www.liberation.fr/desintox/2016/04/14/pourquoi-le-fn-s-oppose-au-pnr-parce-qu-il-n-y-comprend-rien_1443938
http://www.franceinfo.fr/actu/europe/article/securite-aerienne-feu-vert-des-eurodeputes-au-pnr-782257
http://www.france24.com/fr/20160414-eurodeputes-terrorisme-securite-vote-pnr-registre-donnees-passagers-aeriens

http://www.dailymotion.com/video/x3zo0rt_expliquez-nous-le-pnr_news
http://www.france24.com/fr/20160414-eurodeputes-terrorisme-securite-vote-pnr-registre-donnees-passagers-aeriens