2016年5月25日水曜日

オーストリア大統領選挙で 前共和党№2ナタリーさんが サルコジの「ni-ni」策の危険を話す

(パリ=飛田正夫2016/05/25 11:16日本標準時)オーストリアでは大統領選挙はどうなっていたのか?誰もが欲しない人物が出て来ていた。もしも、オーストリアの投票者がサルコジの持論である「ni-ni」策を取ったならば、つまり、我々の党から出たのではないから、我々には関係がないことだ。我々は両党から手を引き、選ぶのを辞めようということになる。それで、もう少しでオーストリアの大統領が極右になるところだった。オーストリアがそれを避けられたのは、それはわずかな数で避けられたのである。30000票で避けたのだ。このように国民運動連合UMP(今の「共和党」)の重鎮で党№2であったナタリー・コシウスコ・モリゼ(NKM)さんは話した。オーストリアの伝統らしく、第1回目の予選で敗北した従来の二政党の社会民主(SPÖ)とキリスト教派系国民党(ÖVP)は負けて排除されていた。SPÖもÖVPも党員にエコロジー・緑の党を支援するように共闘指定を出さなかった。ナタリーさんはサルコジが今も主張しているこの「ni-ni」策をオーストリアでやったのなら、有権者の無関心を更に助長させてナチスの極右派勢力を拡大させることに加担することになったとして、フランスの「共和党」(LC)の党員に対して、根本的な問題としてサルコジの「ni-ni」策が危険であることを呼び掛けた。「共和党」(LC)内で最も頭のよい人はこのナタリー(NKM)さんとヴァレリー・ペックレスさんだと言われている。

オーストリア大統領選挙では、4月24日の第1時投票で第3位だったヴェルナー・ファイマン(Werner Faymann)オーストリア首相が5月9日に辞任し社会民主(SPÖ)党首も辞めたことで、これまでの政治習慣とは全く異なる緑の党エコロジストと危険なナチス系極右自由党(FPÖ)から市民は大統領を選択しなければならなくなっていた。しかもこの国の伝統で共闘をしないことが一般的であった。このような状況がもしもフランスで起こったならばサルコジ前大統領の「ni-ni」策が危険なのは目に見えている。社会党(PS)でもなくペンの極右派系国民戦線(FN)でもなくとなれば、サルコジが第1回投票で第3位になるとして、サルコジの「共和党」(LC)票は、「ni-ni」策でやれば、ナチスを支援していたペンのFNへ流れる。それをNKMは指摘したのだ。

リベラション紙の為にヴィアヴォイス(Viavoice)調査会社の行った世論調査結果によると、テレビ・ラジオが持ちげているのとは裏腹に殆ど人気がない。フランス国民は勿論、右派の三分二が、また中道派の64%が、「共和党」(LC)内の45%が、サルコジ前大統領が2017年の仏大統領選挙に出馬するのを嫌っているという。2015年2月にはフランス国民の37%ほどがサルコジは良い大統領になれるとしていたが、いまでは同じ質問に対し21%しかいなく、アラン・ジュッペ現ボルドー市長(元首相)の45%、フランソワ・フィヨン元首相(共和党LC)29%、フランソワ・バイル・モデム議長25%、ブルノ・ル・メール元漁業大臣23%の後にサルコジは右派政党内ではランクづけられている。リベラション紙の為にヴィアヴォイス(Viavoice)調査会社の行った世論調査は、2016年の5月13日から16日にかけて1004人を調査サンプルに18歳以上のフランス人を対象にして行われたもの。

【参考記事】
http://lelab.europe1.fr/comment-nathalie-kosciusko-morizet-sempare-de-lelection-autrichienne-pour-rappeler-que-le-ni-ni-nest-pas-une-bonne-chose-2753242
http://www.liberation.fr/france/2016/05/22/sondage-une-candidature-sarkozy-massivement-rejetee_1454375

http://www.lejdd.fr/Politique/Primaire-de-droite-y-aura-t-il-des-candidates-787433
http://www.liberation.fr/video/2016/05/24/elections-en-autriche-les-elus-partages-entre-inquietude-et-soulagement_1454782