2017年5月5日金曜日

仮面暴露のルペン ブルターニュで投げ卵、ランスで怒号を浴び裏口退散



(パリ=飛田正夫 日本時間;‎‎‎05/‎05/‎2017-23:29:55)2017年の仏大統領選挙の最終投票2日前にして今日が最後の選挙運動が出来る決戦日となった。5日午後にジャンヌダルクで有名なシャンパーニュ地方のランスの町を訪れて、代々の仏王の戴冠式の旗揚げの栄誉にあやかろうと極右派マリーヌ・ルペンFN総裁はでかけた。ところがランス大聖堂前では200人ほどの青年たちから「金を返せ」との怒号が浴びせかけられて、最近に同盟した「立てフランス」のニコラ・ディポンテェニヤン党首と聖堂の裏口にある隠し扉から急遽退散した。ルペンに抗議する青年達はマクロン支持者や左派党のジャン・リュック・メランションの活動家だといわれている。若い青年がしっかり政治を監視している国は心強い。ジャンヌダルクはそういう若者に味方すると思う。4日にはブルターニュのイルド・ヴィレーヌ県のドル・ド・ブルターニュの町を訪れたマリーヌ・ルペンは「ファシストは出ていけ」「ここでは、貴方は何もできやしない。」などとルペン反対者から罵倒されて卵を投げつけられている。フランスでは水や卵を投げつけるのは、投石の代わりで昔からしばしば抗議でなされる農業国の伝統ではあるが、現代では訴えることは出来る。

3日夜のテレビデバ(論争)で、マリーヌ・ルペンの最近隠していた素顔が父親と同じ極右の国民戦線(FN)党であることが暴露された。このルペンの真実の素顔がマクロンによって暴露されることになったデバ(論争)の価値をいち早く評価したのはフランソワ・オランド仏大統領であった。

この仏前経済相エマニュエル・マクロンとのデバは右派系メディアでは単に激しい口論であったと報道された。しかし、それは実に近年にない充実したマクロンによるルペンの中身が何もないパフォーマンスだけの空疎な論議を解体し、その正体を暴き出したことは殆どのメディアは書いていなかった。その為に2時間半に及ぶ二人のデバを全部見てない人はこれらの曲解させたメディア報道に踊らされてしまう所だった。

ところが今回のデバの後ではさすがにフランス人の中にはこれをきちっと見て判断し理解する人々が多かった。オバマ米大統領のマクロン支持もその為である。ルペンの真実の素顔というのが極右の危険思想であることを知ったわけで、これが今回の卵を投げつけられたり、若者から怒号が浴びせられたりする事件となったのだろう。

【参考記事】
http://www.huffingtonpost.fr/2017/05/05/presidentielle-2017-la-visite-mouvementee-de-marine-le-pen-a-la_a_22070848/
http://www.lepoint.fr/presidentielle/bretagne-marine-le-pen-accueillie-par-des-jets-d-oeufs-04-05-2017-2124794_3121.php
http://www.ouest-france.fr/elections/presidentielle/direct-presidentielle-j-2-macron-et-le-pen-une-derniere-journee-de-campagne-cruciale-4970467
http://www.20minutes.fr/elections/presidentielle/2062339-20170505-direct-presidentielle-fin-campagne-mouvementee-deux-candidats
http://www.bfmtv.com/mediaplayer/video/comment-marine-le-pen-a-ete-exfiltree-de-la-cathedrale-de-reims-941447.html
http://www.leparisien.fr/elections/presidentielle/en-direct-presidentielle-le-peuple-est-dans-une-colere-folle-previent-marine-le-pen-05-05-2017-6918774.php
http://www.huffingtonpost.fr/2017/05/05/presidentielle-2017-la-visite-mouvementee-de-marine-le-pen-a-la_a_22070848/