2017年6月28日水曜日

フランスの代理母出産GPA(PMA)法は総ての独身女性にも適応へ カトリック教徒は否定的

(パリ=飛田正夫 日本時間;‎28/‎06/‎2017‎‎-09:24)仏の代理母出産GPA(PMA)法のレスビアンカップルに加え、独身女性など総ての女性一人にもこれを適応することを法律化することに賛成判断を27日に仏倫理諮問委員会(CCNE)は宣言した。フランスではホモの結婚は世界第14番目の国として4年前に仏議会で可決している。この代理母出産が独身女性にも適応されることなどで「父のいない子供」「見えない父親」「二人の母親」の出現など社会に大きな変化を生むことが予測されカトリック教徒などの間では大問題になっている。しかしこれがこれまでのフランス社会の現状そのものだと主張する立場の人々もいる。代理母出産は対象がこれまでのレスビアン・カップルだけでなくそこに結婚してない独身女性も今回加わった。カトリック教会はレスビアン・カップルだけでなく男女の結婚したカップルでの代理母出産GPA(PMA)を当然のこと拒否している。

カトリック教会のこれを拒否する基本的倫理には二つのものがあるという。一つは胚種を人間同様に尊厳すべきだとするもので、受胎の尊厳というのは結婚に基づく夫婦相互の融合的合意の結果として理解されるべきだと見解を立てている。しかし見ようによっては処女受胎の聖母マリアが代理母出産GPA(PMA)法によってフランス中に多数出現することになることこそがカトリック教会の最大の悩みなのではないだろうか。この問題に関してはキリスト教自体が父統に迷った宗教と考えられるが、これに関しては「「聖書」キリストは、父親のヨゼフと血統のないマリアの代理母出産GPA( PMA)で出生」【関連記事】を参照。

フランスのプロテスタント教会は特にこの代理母出産GPA(PMA)には大きな反対はしていない。ユダヤ教徒の意見は硬直化した姿勢ではなくて不妊のカップルでは許容されるべきだとしている。交わり増やせという教えがあるからだという。代理母出産の問題は人工的な出産により父親と子供との関係が出てこないからだとしている。イスラム教では代理母出産GPA(PMA)は容認されるがそれにはいくつかの条件が必要だとしている。先ず結婚したカップルだけに許されるものであり、どんな第三者も卵子や精子などを与えてカップルの性的生活に関与してはならないとしている。

【参考記事】
http://www.francetvinfo.fr/sante/grossesse/la-pma-autorisee-pour-toutes-les-femmes-debat-anime-entre-la-manif-pour-tous-et-sos-homophobie_2258035.html
http://www.leparisien.fr/societe/pma-avis-favorable-du-comite-d-ethique-pour-les-couples-de-femmes-et-les-femmes-seules-27-06-2017-7091064.php
http://www.20minutes.fr/societe/2095147-20170627-pma-apres-avis-favorable-comite-ethique-va-passer-maintenant

【関連記事】 

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https://franettese.blogspot.fr/2016/02/gpa-pma.html