(パリ=飛田正夫)11日バルセロナで大規模なスペイン政治犯釈放を要求するデモがあった。これはカタルーニャ独立派が主催したもので、マリアノ・ラホイ大統領が非民主的憲法155条を悪用してカタルーニュ独立を妨害し弾圧してカタルーニュ議会の大臣ら8人と独立派協会の指導者2人を「国家反逆罪」などで逮捕し裁判も無いまま監獄に監禁していた。しかしこの処置を不当と考えたスペイン司法側が保釈金などを条件に、10日にカルメ・フォルカデェユ・カタルーニャ議会議長を釈放した。がまだ独立派の要人はマドリッド近くの監獄に残されていると11日のルモンド紙は報道している。カタルーニャ議会議長の釈放でスペイン政府の政治的弾圧の性格が浮き彫りにされることになってしまった。ブリュッセルに亡命中のカタルーニュのプジャダモン大統領は、スペイン政府のヨーロッパ指名手配の中で、ベルギー裁判所の判断を待ちながらも、カタルーニャ独立派に対して「我々は民主主義と自由を要求している。「我々は、総ての政治犯の釈放と国外にいる総ての者が自国に帰ることを望んでいる」とメセージを送って、「集団的抗議」を要求している。(日本時間 12/11/2017;02:32:39)(仏時間11/11/2017;18:32:39)
この筋を明快に理解して報道したのは10日の時点では、比較的偏らないFRANCE24.comでも深夜版になってからであった。11日のカタルーニャ独立派のマドリッド政府に対するデモは、他の政治犯らも同様に釈放すべきだとして、スペイン政治犯弾圧を糾弾し、その釈放を要求する大規模なデモで、9月11日のカタルーニャ独立集会の100万人規模を目指している。
今後もカタルーニャ独立派は、ラホイ政権がヨーロッパの人権を尊厳しない独裁的政治の性格を更に浮き彫りにさせる方向で、ヨーロッパの良心に訴えて広い国際的な理解を得て行く構えのようである。この動向を止められないラホイは、一時はヨーロッパ首脳の理解を得ようと立ち回ったが、それが失敗した為に更に弾圧を加えていくのではないかと危惧される。次第にヨーロッパ首脳も自国での同様な地方・民独独立の問題が激化する兆しがある為に、カタルーニュ独立問題に無関心を装ってほうかむりしていられなくなってくるだろう。
【参考記事】
http://www.lemonde.fr/europe/article/2017/11/11/catalogne-nouvelle-mobilisation-des-independantistes-a-barcelone_5213533_3214.html
http://www.france24.com/fr/20171110-espagne-presidente-parlement-catalan-carme-forcadell-remise-liberte-prison
http://www.lemonde.fr/europe/article/2017/11/11/catalogne-nouvelle-mobilisation-des-independantistes-a-barcelone_5213533_3214.html