今から10日程前にアカデミー会員の哲学者アラン・フィンケルクロー(Alain Finkielkraut)がパリの共和国広場に姿を現して、夜間を明かして論議しようという3月31日以来の毎夜の行事になった「立て夜」(Nuit debout)の催しに出向き、すぐさま「出て行け」「ファシスト」「帰れ」「ゴミ」などと揶揄されて無念な表情で会場を退場し顔に唾を掛けられた場面は、フランスの大ニュースになっていたが、その真相が今一つわからなくなっていた。テレビ民法(BFMTV)のトップキャスターであるルース・エルクリエフ(Ruth Elkrief)さんが、同氏を25日夜にテレビに招待してインタビューした。
http://www.bfmtv.com/mediaplayer/video/alain-finkielkraut-face-a-ruth-elkrief-801895.html
http://www.bfmtv.com/societe/finkielkraut-sur-nuit-debout-a-une-echelle-minuscule-c-est-la-reinvention-du-totalitarisme-969639.html
1968年の学生運動の時はみんなが話したのだと比較して話す新アカデミー会員フィンケルクロー氏の話を紹介する。同時にパリジィエン紙や20ミニュットなどの映像画面
http://www.leparisien.fr/paris-75/paris-75011/video-nuit-debout-alain-finkielkraut-pris-a-partie-place-de-la-republique-16-04-2016-5721601.php
http://www.20minutes.fr/societe/1828071-20160417-video-nuitdebout-alain-finkielkraut-hue-injurie-place-republique
も見逃せない。ここではフィンケルクロー氏が喚きながら「罵倒されたのだから、私は答えることができる」「哀れな奴」などと言い返している。この「哀れな奴」の罵詈雑言は哲学者に浴びせられたのではなくて、フィンケルクロー氏が放っている言葉なのだ。この「哀れな奴」(pauvre conne)という言葉は、フランスでは有名でサルコジ氏が大統領の時にブルターニュで魚師から高い所から馬鹿にされて、それにこたえてサルコジ氏が、「降りてこい」「哀れな奴」「pauvre conne」とやったので誰でも知っているのである。ル・ポワン誌のビデオでは、(01 :30/02 :58)当たりを参照。
サルコジが毎年恒例のポート・ド・ベルサイユの大展示会場での農業物産展に参加した時に、高齢者の男性に握手を断られて怒って出た言葉が«casse-toi»«pauvre conne» なのです。「立ち去れ」「哀れな奴」という意味です。これが大統領が一介の市民に放った讒言であったので大問題になったのです。
今回の4月16日夜のパリの共和国広場では、フィンケルローが「立ち去れ」«casse-toi»と市民から言われたので、それに答えて、「哀れな奴」«pauvre conne» と2度ほど言い返したのです。全く不思議なのです。そしてフィンケルローは「暴言を食らった私は、同様に答える事ができる。私は人間だから」と哲学者が弁解したわけです。そういう背景があったやり取りで、これはフランス人なら大抵の人はこの罵り合いの言葉の出所を知っていて、くすくすと笑っているのです。サルコジがここでも絡んでいるのが不思議です。