2011年1月25日火曜日

アルカイダが指示(ディクテ)、フランス内外に報復テロ宣言、仏軍退去が条件 「何故仏人が狙われるのか?」は無回答

フランスのサルコジ大統領はこれまで何度か「テロリストには指示(ディクテ)は受けない」とくりかえし拒絶の宣言をしてきた。テロリストに誘拐されたフランス人人質と過激派イスラム・マグレブ諸国のアルカーイダ(Aqmi)の捕虜と交換取引きはできないとサルコジはいっている。誘拐者救出の身代金の支払いなどでもスペインや英国とは異なる独自の強攻策を取ってきている。フランスは多くの場合それを拒絶している。そのためにフランス人誘拐者に犠牲者が多く出ているのではないかとする見解も強くなってきている。「何故フランス人が狙われるのか」という回答にはベンラデンはまだ答えていない。フランス国営放送・テレビA2は21日のカタールの中東の衛星テレビ局アルジャジーラ放送のウサマ・ベン・ラデンの宣言を報道した。

法螺(ほら)の世界では

法螺(ほら)の世界では
ほらは、暴露される前なら好きなように吹き鳴らしてよいものか?
 サルコジ大統領の名前を特定して挙げながら、アフガニスタンからのフランス軍隊撤退を条件として指示してきた。この条件に背けばフランス内外のいたるところで高くつく事件が起きると宣言している。

「何故仏人が狙われるのか?」との疑問にはウサマ・ベンラデンはまだ回答してないが、アルカイダが地方的利益を主張するようになっていて、過激派「説教と戦闘のためのサラフィー主義者集団(GSPC)」が、数年前の1月に「イスラム・マグレブ諸国のアルカーイダ」(Aqmi)と改称され地方での独立テロの行動をとるようになった。

特にフランス原子力産業のリーダーであるアレバ社がニジェール地方でのウラニューム鉱石を採掘している。トータルの石油などの利権も、Aqmiの利益と衝突していると考えられる。フランス政府は人道的な側面よりも原子力産業という重要な国益が失われることが目の前の課題となっているようで判断がぐらつきはじめていたのであろう。

サルコジ大統領は1月24日、大統領官邸エリゼ宮殿に集会した300人のジャーナリストを前にしてニジェールでの1月8日の仏特殊部隊の完全介入を認めた。

フランス人青年の死亡に関してはアラン・ジュッペ防衛相が受諾した仏軍隊が撮影したビデオや写真の国防機密の開示が待たれる。カタールの中東の衛星テレビ局アルジャジーラは別のビデオで2人の内の1人のフランス青年殺害の犯行声明を出した。が、他の1人に関してはフランス特殊部隊が殺害したと証言している。このアルジャジーラ放送のビデオの存在に関してはフランス国営放送・テレビA2の有名キャスターのダビッド・プジャダス氏がほのめかしたが見せなかった。そのかわりにか、それよりもより具体的なものがあるといって図式した絵を放映した。

サルコジ大統領は訪問先のマルチニックから1月8日夜に大統領官邸エリゼ宮殿を介して性急なテロリスト批判の宣言をしている。これで軍隊をニジェールの現場に急襲させることになった。このことによって危険を感じたテロリストが誘拐した捕虜のフランス青年を殺害したとする推測も十分にありえるわけだ。フランス特殊部隊がニジェール警察を誤認して殺害したとする報道もあって、フランスの青年1人も殺害したともなれば、「テロリスト」は 「残忍」で 「殺人」だと宣言したその批判の矛先が変わってくることになる。 悲劇の責任は覆い隠すことはできなくなるからだ。