2011年2月10日木曜日

【コラム】仏大臣首相のチュニジア・エジプト豪華家族旅行 地上では 独裁者との庶民の血の戦いが 

最近のフランス国営放送・A2のニュースの扱い方が気になっている。特に2月2日にフランスの政治家風刺と暴露の専門新聞カナール・アンシュネがミッシェル・アイオマリ仏外務大臣(MAM)とその家族のチュニジア旅行で亡命した独裁者ベンアリ側近から提供されたジェット機と豪華ホテルの提供を受けていたことを問題にしたが、これへの体制メディアでの反応が気になる。
2011年2月9日のカナール・アンシュネ
また今日2月9日のカナール・アンシュネは今度はエジプトの独裁者ムハンマド・ホスニ・ムバラク大統領の提供するジェット機を使ってエジプトのアスワン(Assouan)からナイル川上流のアブ・シンベル(Abou simbl)神殿への旅を家族でしているフィヨン仏首相を暴いた。

このフィヨン首相の家族の旅行では、パリからアスワンへは政府のファルコン900ジェット機を使用していて、しかもアスワンには操縦士らエキパージュと飛行機を10日間に渡り停泊させてあり、フィヨン首相のホテル近くの豪華ホテルが充当されていたとされる。ジェット機の費用も含め莫大なものだという。

実はこの2人の政府要人がその家族を引き連れて冬のバカンスに飛行機でチュニジアやエジプトへ行くことが問題なのではないのである。2月8日に緊急に開催されたサルコジ大統領を中心にした閣議では、外国へのバカンス旅行、特に招待旅行に関し厳しく制限し警戒するというこが大きく夜のA2テレビも報道していた。しかしどことなく問題の所在がずれているようだ。

過去の大統領がマグレブ諸国の大統領から招待を受けていると例をだして宣伝している。またサルコジ大統領も私的な豪華旅行の招待を受けているから自分たちの行いが誤ってないとする態度がどうも納得できないのである。この前例があるので自分もしたのだという筋を支援してはばからない態度が大人気ないのである。問題を縮小化しようと術策を演じるテレビやラジオもなんとも情けない。見ていると悲しくなってくる。これは勿論全部のジャーナリストではない。

カナール・アンシュネを買いにキオスクに行くと何人もの人がこの新聞を求めてやってきていた。この新聞の活躍を褒め讃えて私にその弾圧下での話しなどを聞かせてくれる人もいた。庶民はこの新聞のスクープを喜んでいるようだ。

テレビやラジオでも最近耳障りな表現や演出が多くなってきているのは前述の大臣や首相のような例が増えているせいなのだろうと一応は考えてみた。

カナール・アンシュネの噛み付いた2人の政府要人の問題は友好国であるはずのチュニジアやエジプトの民衆が独裁者の束縛を断ち切ろうと血をながしてまた銃弾を浴びながら闘っている最中で起こったことが問題なのである。

その独裁者の提供する庶民の及びも付かない豪華旅行をしかも国費で行っていることが人の行いとはいえど余りにも人間としての意識の低さに驚くのである。そしてその非をどこまでも認めないのはフランス人の手本として良いことではないと思える。その点をテレビやラジオのジャーナリストたちははぐらかし問題を見えなく隠そうとしているようだ。これらの行為もまた与同罪(よどうざい)として気にもなるし恐れるのである。