2011年4月8日金曜日

フランス国営放送・テレビA2がコートジボワールの日本大使邸救助の模様を放映


コートジボワールで日本大使邸で救助された岡村善文大使とみられる男性の映像を7日昼のフランス国営放送・テレビA2が放映している。テレビでの放映は一部のカットされた部分だけなのかも知れないが、発言はわかりやすい明解なフランス語で短く語られている。私の速記を紹介すると以下のようになる。「私の家は傭兵にやられ、自分の部屋に閉じ込められた。が、最終的には自分は救出された」と仏語で述べている。この発言の中にはバクボもワタラもフランスもでてこない。傭兵にやられたという言い方をしている。また誰かに助けを求めたとか誰に救出されたとかは一言もいってはいない。

4月7日0時23分、フランス特殊部隊(Licorneリコルヌ)のヘリコプターがバクボ前大統領邸宅近くにある日本大使邸の避難に介入し、7日01時59分に同部隊は大使邸の安全統制に成功した。が、7日2時05分、フランス特殊部隊(リコルヌ)が日本大使館に介入している間にこのリコルヌ部隊は近所にあるバグボ邸防御軍との撃ち合いがあった。

フランス特殊部隊(Licorneリコルヌ)というのは一般の国連軍(ONUCI)とは武装や戦略的能力も全く異なる特殊戦闘部隊である。サルコジ大統領は4月1日にフィヨン首相、アラン・ジュッペ外相、ランゲ防衛相らと相談し2個中隊に相当する300名以上を増強派兵することに決めたが、その目的はコートジボワールに滞在するフランス人の特に空港付近に避難する安全確保のためだとされていた。

フランスが特に介入している戦争ということもあり、ロシアなどからはフランスが国連軍(ONUCI)の任務規定と定員枠の遵守ならびにワタラ派への一方的な肩入れの内政干渉が指摘されている。

フランス・テレビA2の映し出したのは日本大使邸での救出模様を軍隊が撮影した映像である。フランスの政治的な状況の理解なしには鵜呑みにはできないところだ。が、大使が「傭兵」といっていながらどこの傭兵なのかを不明確にしたことが気にかかる。

それは欧米のメディアの見解からでは暗黙のうちにバグボの傭兵と取られがちだからだ。しかしコートジボワールの日本大使館は先の大統領選挙で独立選管委員会(CEI)に多額の援助資金を寄付していて、これがワタラ派の選挙地盤であるコートジボワール北部での不正を阻止したといわれている。それで恨まれていたという見解もあるからだ。