４月７日コートジボワールの日本大使邸を舞台にして、フランス特殊部隊（Licorneリコルヌ）とバグボ軍との撃ち合いがあった。これは、ロラン・バグボ前大統領邸宅の近所にあった日本大使邸の避難でリコルヌ部隊が介入し、その間に近所のバグボ邸への攻撃が行われたというものだ。しかし大使らは部屋に閉じ込められていて銃弾の炸裂する音は聞こえたがどこに撃たれているのかはわからなかったようだと現地のメディアでは伝えている。
フランスの（テレグラム.com）などの報道では、4月７日０時23分、フランス特殊部隊（リコルヌ）のヘリコプターがバクボ前大統領邸宅近くにある日本大使邸の避難に介入。７日01時59分に同部隊は大使邸の安全統制に成功した。７日２時０５分、フランス特殊部隊（リコルヌ）が日本大使館に介入している間にこのリコルヌ部隊は近所にあるバグボ邸防御の軍隊との間で撃ち合いがあったと伝えている。
７日昼のフランス国営放送・テレビＡ２での放映では、岡村善文大使と見られる男性が１人だけ薄暗い大使邸の中でリコルヌ軍によって撮影インタビューされた映像が写しだされた。そこでは大使はフランス語で話し｢私の家は傭兵にやられ、自分の部屋に閉じ込められた。が、最終的には自分は救出された｣と述べている。
コートジボワールの現地のメディア報道では日本大使邸にはガードマンや庭師など４人がいたが行方がわからなくなっていて部屋には薬きょうが散乱して落ちていて血痕があちこちに残っていた書いている。
大使の発言からわかることは、バクボもワタラもフランス軍も発言にはでてこないということだ。「傭兵」にやられたという言い方をしている。また誰かに助けを求めたとか、誰に救出されたとかは一言もいってはいない。そして救出されたのは大使１人だけであったということだ。
フランス特殊部隊（Licorneリコルヌ）というのは一般の国連軍（ONUCI）とは武装や戦略的能力も全く異なる特殊戦闘部隊である。サルコジ大統領は４月１日にフィヨン首相、アラン・ジュッペ外相、ランゲ防衛相らと相談し２個中隊に相当する300名以上を増強派兵することに決めたが、その目的はコートジボワールに滞在するフランス人の特に空港付近に避難する安全確保のためだとされていた。
フランスが特に介入している戦争ということもあり、ロシアなどからはフランスが国連軍（ONUCI）の任務規定と定員枠の遵守ならびにワタラ派への一方的な肩入れの内政干渉が指摘されている。
