2011年12月18日日曜日

サルコジ周辺の大物が次々と取調べ、カラチ仏人殺害テロの解明へ

前文化相で元レオター防衛相の相談役ルノー・ドネディユー(RDDV)氏が12月13日に拘置されて調べを受けて24時間後の14日に釈放された。同氏はパキスタンへの仏潜水艦の売り込みに関係する仏政府側への一部還流コミッション疑惑で裁判所の調べをうけているレ バノン人ジアド・タキエディン(Ziad Takieddine)氏の親しい友人でもある。RDDVとタキエディンの2人がアゴスタ潜水艦の売り込みでパキスタン政府との交渉に直接関係したものと見られている。そのために事件の鍵を握る最重要人物の一人として今回の調べがあった。


パキスタン政府への仏潜水艦の売り込みに関係し、仏政府側関係者への合法的であったコミッションの一部還流行為は違法となる。これがバラデュー元仏首相の大統領選挙運動資金に流れこんでいたとする筋が次第に真実味を帯びて強まってきている。

もっかの関心はサルコジ大統領の周辺の人物に収斂してきていることだ。バラデューの選挙運動の責任者はサルコジ氏の友人であるチェリー・ゴベール(Thierry Gaubert)氏で、ゴベール氏はタキエディン氏とスイスに数度にわたり飛んで多くの現金をフランスに持ち帰っている。このことを同夫人のエレーヌ=ユーゴスラビア妃が裁判所に証言している。またこのゴベール氏というのはサルコジ氏のヌィーイ市長時代の相談役で、セシリアさんとの結婚式の保証人をやった人物である。コロンビアの島にはタキエディンとゴベールは隣だって豪華別荘を建てていた。また同氏は仏高級品製造会社LVMHグループの社長でもある。

サルコジ氏自身はバラデュー元仏首相の大統領選挙運動のスポークスマンを当時は努めていて、パキスタン政府とのアゴスタ潜水艦の契約は造船局は当時は国のもので武器の外国販売では無関係でいられない財務大臣の重責にあった。

パキスタンへのアゴスタ潜水艦販売を中間介入した武器商人タキエディン氏の前夫人ニコラ・ジョンソンさんは、ルノー・ドネディユー大臣とは友人になり我々は彼の家のあるコルシカ島へ招待されりして密接な関係であったと証言している。

次第にサルコジ大統領周辺の重要人物のベールが取り除かれてきている。少しづつだが真相が明かされてきている。カラチ事件でのバラデュー元仏首相とサルコジ大統領の出廷が今後の焦点になるだろう。

2010年11月にサルコジ大統領はジャーナリストに対し、「自分は防衛相であったことはかってない。自分は潜水艦の契約があったことなどは(…)、財務相として近くでも遠くでも全く聞いたことがない」と話している。このことで2011年11月22日のルモンド紙は「それならばどうしてその知らないものを否定するのか?」と疑問を呈した。