フランスのオランド仏大統領はマリへの軍事介入を行うことを11日夕刻にエリゼ大統領官邸から宣言した。これは12月末の国連の承認をうけたもので友好国マリ国からの要請でもあった。マグレブ諸国のアルカイダ(Aqmi)と闘っているマリ軍対を支援することになる。
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これまでは先ず国連の合意が必要なこと、マリ国軍への軍隊支援をしても通信機器に限ることなどを発表してきていたが、今回のオランド大統領の宣言ではフランスが中心的なマリ軍支援の先鋒になるようだ。決定はマリのディオクンダ大統領と11日の朝になされた。
オランド大統領はフランスはいつもマリ市民の見方であって民主主義を守る人々の側にいることを知らしめるためだといっている。
マリ軍は数百しかいない。オランド大統領はフランスは以前からこの軍事介入を準備していたとも語り、フランスの友好国であるマリ政府の要請に答えることにしたと発表した。しかしこの軍事介入の範囲は国連安保理の決める中でおこなうともいっている。
現在マリ国にはフランス人は6000人ほどいるが、いまのところ国外退去は発令されてない。
この性急なオランド大統領の発表の裏にはその必然性の根拠が薄く、なぜ今なのかという緊急性の根拠が弱い。特にフランスがマグレブ諸国のアルカイダ(Aqmi)から攻撃を受けているわけでもなく、マリ国でのフランス人への脅迫もないからだ。
ロラン・ファビウス 外相はオランド大統領の発表の直後に記者会見を行って、すべてをやって8人のフランス人捕虜をテロリストから救出するのだと発言している。
ロラン・ファビウス 外相はオランド大統領の発表の直後に記者会見を行って、すべてをやって8人のフランス人捕虜をテロリストから救出するのだと発言している。
フィヨン前首相もジャン・フランソワ・コッペ国民運動連合(UMP)議長も、マリーヌ・ル・ペン極右派の国民戦線(FN)などもこの宣言を受け入れているが、共産党が支援するジャン・リュク・メランション左派党議長などは反対している。緑の党のベーグル市長ノエル・マメール氏はまるでサルコジと同じやり方だと批判した。
オランド大統領の発表は、つまりいつでもしてよい宣言であり、13日のホモ結婚議案提出に反対するカトリック教会などを中心にパリでの大々的なデモが予定されているのをけん制する作戦として行われたのかもしれない。
【参考記事】
Mali : François Hollande confirme l'intervention militaire française
http://www.lemonde.fr/afrique/article/2013/01/11/tension-accrue-au-mali_1815471_3212.html