2010年12月2日木曜日

 ユーロ死亡説の深部に 人間社会の倫理的契約破綻が

 ユーロ死亡説の深部に──。28日、アイルランドの財政破綻救援策として850憶ユーロ(約10兆2千憶円)の融資が決まった。翌日ラジオ「ヨーロッパ1」に出演したフランソワ・バロワン仏財務大臣は「我々はユーロを救おうとした」 これで「十分に効果がある」と発言していた。が、29日夕刻にはユーロは1.31ドルまで暴落し2ヶ月以来の記録を更新した。

このことで投資家には以前として欧州統一貨幣とそれを支える欧州政治への不審が存在していることが表面化した。

またギリシャ、アイルランドの後にはポルトガルやスペインへのドミノが予想されていて、フランスのラジオでも以前から、援助策の適応をフランスも受けられるとよなどと不謹慎な楽観がささやかれていたが、今はユーロの死亡説があちこちで話題になっている。

経済の自動浄化作用の崩壊だけではなくて、政治の信用が失墜してしまっていることを見ているわけだが、その原因には人間社会の倫理的契約が破綻してしまったことがあるようだ。