2011年1月23日日曜日

ニジェールの仏人殺害の真相、ジュッペ防衛相 「国家防衛機密」を「開示宣言」 国家防衛審議会(CCSDN)の要請で

1月21日フランスのアラン・ジュッペ防衛相は、7日にニジェールで誘拐され8日夜にマリ国境を越えた付近で殺害された2人のフランス人青年に関するビデオや写真などの資料を公開し国家防衛機密を開示すると宣言した。

法螺(ほら)の世界
ほらは、暴露される前なら好きなように吹き鳴らしてよいものか?
資料は殺害事件の1週間後の14日から国防機密になっていたものだ。この開示は国家防衛審議会(CCSDN)の意見によりニジェール誘拐・殺害事件の予備調査担当のパリ検事ジャン・クロード・マラン氏が要求したもの。3機の仏軍ヘリコプターからジープへは銃が撃たれたが、リベラション紙などによると3人のニジェール警察が誤ってフランス特殊部隊に殺害されているという。また7人の誘拐犯人が殺害された。

仏軍総司令官でもあるサルコジ大統領は1月8日夜、訪問先のマルチニックからテロリスト撲滅の戦いを続けるとし卑怯で残忍なテロとの戦いの指令を発した。同8日、誘拐者を4000メートルの上空から仏軍隊アトランティク-2偵察機がニジェールを逃走中のジープ3台を探知し、マリ国境を越えて逃げる犯人を追ったがフランス人の青年2人を解放できなかった。
フランス人のアントワーヌ・ド・レオクール氏(25歳)は誘拐者によって殺害されたことが初めの司法調査でわかっていた。が、2人目のバンサン・デロリー氏(25歳)の死因は状況が不明なままであった。

これまでフランス政府は手落ちのないことを宣言してきた。が、今ではジュッペ国防相は「(ニジェールの)警察を数多く殺害した」ことを最近は認めているという。


マリ国境でストップのニジェール軍を尻目に

仏軍が最終戦 

何のための戦闘なのか?
1月13日にはカタールの中東の衛星テレビ局アルジャジーラで、過激派イスラム・マグレブ諸国のアルカーイダ(Aqmi)が犯行声明をだし、1人のフランス人の殺害を認めた。もう1人のフランス人については仏軍隊が殺害したことを認めている。この映像に関し、フランス国営放送・テレビA2の有名テレビキャスターのダビッド・プジャダス氏は「もっとより具体的なものがある」としてこれを放映しないで、図解した絵を代わりに見せている。ビデオ映像があるのなら見せるべきだった。これは今回のジュッペ防衛相が開示する仏軍が撮影したビデオや写真の資料と関係するものだ。

資料の全面開示が求められているが、大統領官邸エリゼ宮殿や首相などとの協議とその了解が待たれている。

テロリストに誘拐された青年を救出するためなのだとたとえ名目を立てても、重装備の仏軍特殊部隊が追撃し急襲すれば、当然のこと人質は殺害される可能性は十分に予想されてよいものであった。

また、殺害されたフランス人青年の直接の死因がフランス軍隊によるものだとしたら、サルコジ大統領が訪問先のマルチニックで宣言した卑怯で残忍なテロリスト撲滅の戦いを続けるというのは、誰のことになってくるのだろうか?と、疑問が残る。