2011年1月30日日曜日

エジプトの民衆デモはムバラク退陣要求「捨てず続行」 エジプト「軍隊の庇護下」で

ムバラク大統領へのエジプト民衆の抗議デモは、28日頃からはエジプトの軍隊が民衆側を支持する動きが強まり、主要な都市では軍隊の庇護下でムバラク抗議のデモが行われている。しかし警察は数千人の民衆のデモに向かって発砲している。ムバラクは28日に内閣を解散し、29日に新副大統領と首相を任命した。副大統領には国家情報局で長年パレスチナ・イスラエル問題を扱ってきたムバラク寄りのオマール・スレーマンが任命された。国民はこの大統領のやり方に不満を表明していて、ムバラクの国外逃亡の要求を捨てていない。中東の衛星テレビ局アルジャジーラ放送を引いて仏語メディアが伝えている。

エジプトの野党最大党のムスリム同胞団(Les frère musulmans)ではムバラク大統領が党首である国民民主党(NDP)なしで、民衆の平和的な蜂起を支持し権力の移行と正当な選挙を実現することを確認しているという。

1月25日以来エジプトの民衆がムバラク大統領の国外逃亡を要求し多くの殺害者(5日目で100人ほど)を出していた。民衆の批判の高まりを恐れたムバラクはこれを事前に回避しようと手を打った。自らクーデタを起こし内閣改造を提案した。

29日イスラエルの内務省高官はエジプトで急進派の台頭が問題だとして、エジプトとイスラエルの友好に反対している穏健派イスラエル原理主義組織のムスリム同胞団に当てこすりした。