1月2日、パリ南部の新都市エブリーの市長マニュエル・バルス社会党議員は労働時間の短縮を提案し労働時間の閂(かんぬき)を社会党側からはずしたことで左右陣営から賛否両論の渦が湧き上がっていた。5日セゴレーヌ・ロワイヤル前大統領候補はパリ南近郊都市のバニューを訪れた折に発言し「フランスの企業主の誰もそれを求めてないのに、なぜその論議を蒸し返す必要があるのか」と述べた。
35時間労働法はマルチンヌ・オブリ社会党書記長が労働大臣の時につくったものでオブリ法とも呼ばれている。
失業が増大しているのに、就業時間を長くすることを許せば雇用はそれだけ縮小すると同僚の社会党議員からは批判がでていた。
セゴレーヌの考えは、「意見は何をいってもかまわない」 しかし「プロポジションは問題を解決するために使われなければならない」 「オブリ法の廃止は2002年より右派から沙汰されてきている」
「いったいフランス人は労働時間の短縮を問題にしているのか。企業主はどうか?否である」
セゴレーヌによれば、「現在、急務なのは給料の低さであり失業対策である」 「労働時間の短縮はこれらの問題を解決しないし、企業の収益も改善されない」と述べている。
同氏は35時間労働の短縮論議が波紋を呼んで社会党内部を分裂させるきっかけをバルス議員がつくったことについては特に荒立てては指摘しなかった。それには理由があり、ロワイヤル氏はその騒ぎでフランスが本当に解決しなければならない問題を見失い、社会党内部が掻き回されることを心配しているようである。
セゴレーヌ・ロワイヤル議員は2012年の大統領選挙候補声明を11月に出しているが、マニュエル・バルス議員はそれよりも前から候補を宣言していた。