2011年2月16日水曜日

仏裁判所に「落ち度無し」が証明、レティシア騒動の責任者は「誤認」のサルコジ大統領


メディア報道の煙幕の中に雲隠れするニコラ・サルコジの司法界批判の結末が分かりにくくなっていた。が、レティシア(18歳)事件でのサルコジ問題の所在を糾して、フランス社会党のブルノ・ル・ルー(Bruno Le Roux)氏は2月15日の午前中の議会で、レティシア騒動の責任者は事実誤認したサルコジ大統領だと明示して話した。14日のミッシェル・メルシエ法務大臣の発表では、サルコジ大統領が告発していた裁判官や警察の落ち度でレティシアさんの誘拐・殺害が起きたという認識の誤りが調査の結果で誤認だったと発表されていた。
ミッシェル・メルシエ法務大臣の調査結果発表がなされたことで、容疑者のトニー・メイヨン氏を収監しておかなかった裁判官や警察の落ち度でレティシアさん(18歳)の誘拐・殺害が起きたとするサルコジ氏の告発認識が誤認であったとわかった。これを隠そうとするメディアもあった。が、レティシアさん騒動の責任者は「誤認」して「一番騒いで見せた」サルコジ大統領にあると仏社会党ブルノ・ル・ルー(Bruno Le Roux)氏が問題の焦点を明確化する指摘をした。メキシコに捕囚になっているフロランス・カッセさんの問題の核心も同じ事だと見るべきて、父親だけではなくて、あちこちから大統領の人気低迷回復の手立てに使われてはたまらないという声が聞こえてきそうだ。若き美しき女性の悲運はとかくメデアの格好の話題になりやすい。しかし人の不幸の上に自己の安定を築くことは許されない。
サルコジ大統領は思いつきからかレティシアさんが失踪し死体が発見されるや否や早急にこの責任は裁判官や警察が「再犯者」であるトニー・メイヨン氏を放任していたから起ったのだと告発して大問題にしていた。警察組合のシネルジーでも怒ってサルコジの責任を追及しているが司法界の抗議のストは今も続いている。

社会党の国会のスポークスマンであるブルノ・ル・ルー氏はほぼ次のように話している。ニコラ・サルコジは大統領としての見識が無いと見られる。この三面記事の事件は全く許せない恐ろしい事件だが、この責任をニコラ・サルコジは判事の責任だとして何の証拠もなく指差してみせ告発して責任者を探し出して処罰すると宣言していた。しかし今回の司法省の調査でそれが根拠のない誤認であることが証明されて、サルコジ大統領の告発が崩壊した。

保護観察サービスの部門などが予算不足で機能してないことはあるが、今回の事件で初めに一番声高に騒ぎだした大統領に最も責任があると話した。

メルシエ法務大臣の発表は14日からラジオ・テレビで報道されていた。問題の所在を不明確にした報道が多かった中で、ブルノ・ル・ルー氏の発言などで事件の全貌が次第に明解になっている。これにたいする、判事側からの抗議の決議も今夜中には出されるようだ。

1月18日にロワール川の河口のサンナザール造船所の対岸のポルニック付近で18歳のレティシアさんが失踪した事件で主要な容疑者としてトニー・メイヨン氏が1月20日に逮捕された。レティシアさん殺害は事故によるものだといわれていた。しかしその後2月1日にラボー(Lavau)の旧石切り場に水が入った沼からレティシアさんの体の一部が見つかっている。メイヨン氏は再犯者としていくつか前科があった。

2月3日ニコラ・サルコジ大統領がナントの裁判所を批判して責任者を処罰すると宣言した。これが、世間の注視を集めることになった。

裁判所側では犯罪が増加する一方の中で裁判所も裁判官も削減されていて、裁判所は処理する手段が不足している。5人必要なところを2.5人でやっているという。そのために裁判は総て一緒にはできないので緊急なものから順番に処理しているのが現状だという。

それを理解もなしに早急な責任を要求するサルコジ大統領にフランス中の司法界が怒りの抗議を起こした。ほぼフランス全部の裁判所がストに突入するというかってない事態となった。フランス政府はこの司法界の反乱を世間に見えないように隠すことにやっきになっていた。

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