戦争が始まった。ドイツは連合国の行動もわかるが戦争が始まれば危険なものでどのような予想外の事態が展開されるかわからないことから、リビアへの軍事介入を拒否している。
18日朝10時には、ロシアもリビアへの軍事作戦に参加しないことをニコライ・マカロブ将軍が宣言している。フランス提案のリビア空爆で国連安保理で賛成せず棄権したのは中国、ロシア、ドイツ、インド、ブラジルの5カ国であった。国連安保理の決議ではあらゆる方法で市民の安全を保障しリビア軍の攻撃をやめさせるための空爆が承認されて、蜂起軍への爆撃を防御するためにリビアの領空権の剥奪が決められた。
18日09時、カダフィ大佐の息子のセイフ・アル-イスラムは「我々は怖くない、もしリビアに空爆をしてリビア人を殺害するのならば人民を援助することにはならない。それでは誰もよろこばない」とABC News Nightlineで語っている。「リベラシオン紙fr.」が報道している。
フランスのアラン・ジュッペ外相はONU国連で発言し、民主的革命への「アラブ諸国の春」の到来があた。リビアのカダフィ体制は自国の国民を人権違反を犯して殺害しているので国際司法裁判にかける。が、十分ではなく市民を援助する意味でONU国連制裁の空爆をすることにしたとしている。裁判にもかけられない独裁者の殺害があるとして、それは民主主義的な思考なのだろうか。
3月15日、パリ開催のG8首脳会議ではフランスと英国の両国が強く主張したリビアのカダフィ大佐封じ込め政策で、蜂起勢力側を唯一リベア政府の代表と承認したフランスからリビアの領空権を奪取する提案が提出されたが、中国とロシアが強く反対し成立しなかった。ドイツのメルケル首相なども人民の安全が保障されないなど北アフリカでの戦火拡大を恐れサルコジ大統領の空爆論の主張には反対していた。このことでリビアのムアマル・カダフィ大佐の失地奪還が容易に実現している。
フランスのサルコジ大統領はこれまでのリビアとの経済提携の親交をよそに、「アラブ諸国の春」で独裁者から独立する民衆革命支援の出遅れとチュニジアの独裁者ベンアリ側近のアジズ・ミルド(d'Aziz Miled)とミッシェル・アイオマリ外務大臣(前内相、元防衛相、MAM)の癒着関係。さらにはエジプトのムハンマド・ホスニ・ムバラク大統領とフィヨン首相など、独裁者とフランス政府首脳との癒着関係が目だってフランス外交の質がとわれていた。
このことで民衆をわすれて独裁者と付き合うフランス外交の評判落ちを取り替えそうとして、今回はリビア外交の急激な変更路線をとったようだ。がうまくいかなかった。
今度は長年の付き合いのあるリビアのカダフィ大佐だけを独裁者扱いにして、フランスは、自分は汚い残忍なカダフィとは無関係だとする方策として、人権に反するカダフィを制裁することにしたようだ。しかし簡単には歴史は変えられなかったようだ。そのためにサルコジ大統領の人気低下は最低線までいくことが危惧されだしている。
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