2011年3月20日日曜日

カダフィは欧米を「凶暴な奴隷主義者」と批判 仏外相は「りビア民主化協力」の軍事介入なのだと

カダフィは19日夜遅く国営テレビで欧米の軍事介入を「奴隷主義者の凶暴さだ」と批判した。また「リビアを防衛するために武器庫は開かれた。今後は地中海域が真の戦場になる」といって脅かしている。
19日にアラン・ジュッペ仏外相はフランス国営放送・テレビA2で「国連安保理の決議案にはカダフィの追い出しは明記されてないが」として、「それは明白なことで」、そのことで「リビアの人々が体制を選ぶことが可能になる」といっている。リビアの民主主義の協力者なのだと主張しているわけだ。

サルコジ大統領と哲学者のベルナール・アンリ・レヴィの二人によってリビアのカダフィ大佐への空爆が企画されたといわれていきたが、レヴィは「カダフィが静かになるとは国際社会は考えてない」として政治的に失墜させるべきだと発言した。

ロシアと中国は国連安保理での採決投票では棄権したが、外国軍のリビアへの軍事介入を前にし拒否権を行使しなかったことを後悔しているらしい。ブラジルからも厳しい欧米への経済優先の帝国主義者の行動なのだと軍事介入の意図を問い糾す批判が出ている。

ロシア外務省スポークスマンのアレクサンドル・ルカチエビック氏は「後悔している」といっている。

アフリカ諸国連合(UA)側はどんな形であれ外国からの軍事介入を強く拒否し続けるとモーリタニア・イスラム共和国のモハメッド・ウルド・アブデル・アジズ大統領は宣言している。

連合国側は2月19日、カダフィ大佐への軍事介入作戦を開始してフランスのラファール戦闘機がリビア軍の戦車を襲撃した。続いて英米も戦艦から攻撃を開始して米は新型のトーマホーク・ミサイルを110発ほど発射させている。

リビアは19日にはフランスの戦闘機をトリポリ付近で墜落させたといっているが、すべての飛行機は基地にもどっていると仏軍はこれを否定している。米軍は参戦を決めたが依然として陸上戦は拒否している。


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中国・ロシアは欧米を批判

国連安全保障理事会の決議1973によってリビア空爆の軍事的行使制限に即して欧米連合軍がカダフィ側への空爆を展開しているとして、国連の潘基文事務総長はロシアに連合軍支持の勧めをしたが、いまもなおメドベージェフ大統領は、中国の立場と同じく、リビアの市民が連合軍の無差別空爆で犠牲になっていることを嘆いて拒絶している。カダフィ軍と蜂起側の反リビア政府臨時国家審議会側とが重なりあっていて両者の判別が困難になっているために、空爆は市民を保護する国連決議に抵触する恐れがでてきていて、戦争責任の支点を移動させようとする仏米の政治的な判断が臭う。

北大西洋条約軍事機構(NATO)では28カ国のメンバーによりカダフィへの武器輸出禁止の新たな作戦展開を決めると発表した。過激になって度を越してきたリビア戦争を提案し開始させたのはサルコジ大統領だが、フランスはNATO決議で攻撃に限界が出てくることを予想している。が、戦争の主導責任がNATOへ移ることを22日に譲歩したと「リベラシオン紙fr.」は伝えている。

カナダ軍は22日、飛行場施設への爆撃を諦めたと伝えた。理由は市民への爆撃の恐れがあるからだという。

23日、欧米連合国側のリビアのカダフィ大佐への攻撃は4日目を向かえた。20日、連合軍側がミサイル攻撃をしたトリポリのバブ・エル・アジジヤの私邸から、22日にカダフィ大佐は公衆の前に姿をだしたとリビア国営テレビは報道している。

リビア政府側からは、連合軍は19日からの空爆でトリポリ、ゾォアラ、ミスラタ、シィルタなどで市民に数多くの犠牲をだしたといっている。また21日は連合軍は南部のカダフィの勢力圏にあるセバハを襲撃したと伝えられた。しかしロクレアー司令官は国連決議1973を遵守しないで砲撃しているのはカダフィ軍側だとしている。同司令官はカダフィ軍は西部のザウィア、東部のミスラッタやアジダビヤから撤退すべきだといっている。国連決議1973では攻撃の時空間や対象の限定が定められている。