2011年3月22日火曜日

ペンのフロンナショナル(FN)を与党サルコジが支持 仏地域圏議会選挙は社会党(PS)連合とFNの争い

2011年3月20日、仏地域圏議会選挙の第一次投票で敗北した与党仏国民運動連合(UMP)は27日に予定される第二次投票では全国204箇所もの選挙区で社会党議員と極右フロンナショナル(FN)議員が決戦投票を争うことになった。そのためにUMP票の行方が注目されている。FNに対抗する社会党(PS)、共産党(PC)、ヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV )などの連合組織フロン・レプュブリカンを組織した。UMPではPSを応援するのかFNにするのかでUMP内部分裂が始まっている。

サルコジ大統領は極右フロンナショナルへの投票を発言している。フィヨン首相は極右フロンナショナルへの投票をすべきでなく社会党を応援すべきだとした。これには コシュスコモリゼ住宅・交通・エコロジー相やペクレス高等教育・研究相などの優秀な女性大臣が意見を表明している。

ところがこの両者の相違が指摘されたことからフィヨン首相はおかしなことにサルコジ大統領と自分の発言は同じことだと言い直している。しかしフランソワ・オランド仏社会党前書記長からは「二人には大変に重大な不一致がある。論理的に分裂がそこにはある」と批判された。

第二次投票では国民運動連合(UMP)支持者は自分の好きにしたら良いと発言した大臣にはモラノ職業訓練・再教育相やコッペ国民運動連合(UMP)議長がいる。

国民運動連合UMPの敗北の原因はサルコジ大統領の雇用や購買力対策をそっちのけのイスラム移民らへの特別視やロマ人排斥、アイデェンティティー・ナショナル( l’identité nationale国民の同一性 )」などフランス国民の同調性を分断化する危険な論議ばかりしてきたことが祟ったとみられていて与党内部で地方圏議会選挙を前に分裂の大問題になっている。

一方、ゲラン内務大臣(前大統領エリゼ官邸書記総監)は上乗せした数字からUMPの成績は比較的よかったなどと報道したことでテレビでも顰蹙をかっていた。

20日の第一次投票では棄権者が56%と歴史的な記録となった。理由を天気のせいにするUMPの議員もいるが、これはサルコジ政治への批判だと受け止める責任があるだろう。

社会党(PS)の獲得票は25%との好成績。国民運動連合(UMP)では19%と史上最低を記録した。極右フロンナショナル(FN)は15.1%と伸びている。その他が9.3%で、ヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV)が8.2%である。