2011年5月2日月曜日

【コラム】在仏日本大使館の仏テレビ抗議に 「福島:日本人はギニョル(人形芝居)のユーモアを好まない」

「福島:日本人はギニョル(人形芝居)のユーモアを好まない」というタイトルの記事を「ラジオFrance Info」のウェブサイトで見つけた。これはフランスのテレビ局Canal+に在日本大使館が抗議した手紙を引用していて、同テレビ番組で福島の原発事故と1945年の広島の原爆とを並べ重ねる相似的な見方に対して在仏日本大使館が問題視して抗議したらしい。人形劇テレビでは仙台と広島の二つの町の写真を出して比較して「日本人は第二次世界大戦以来なにもしていない・・・」といったとしている。日本大使館へのテレビ局の返答は、ギニョル・アンフォはあらゆるタイプの総ての人と出来事とを例外なく批判する番組であると答えてきたという。

他にもこの事件をフランスで報道している記事を読んだ。在仏日本大使館の仏テレビ局への抗議は在仏の日本人からの指摘によって起こったとそこには書かれてあった。

わたしが気になるのは、次ぎの3点である。ギニョル・アンフォはあらゆるタイプの総ての人と出来事を例外なく批判する番組であるというが果たしてそれは本当なのか?という疑問である。たしかに何でも話すように見えるのだが、それは見かけだけの程度の問題ではないか?ということだ。何かスクープでもあればその話を信じられることもできるのだが。

それから意外であったのは多くの在仏日本人がギニョル・アンフォを見ていると在仏日本大使館の話から説明されることだ。私はこの番組を好きになれないので日本人の視聴の多い理由がよくわからない。

最後にフランスのテレビが福島の原発事故と広島の原爆とを並べて相似的な見方をしているとしているが、それは別にかまわないことではないかと思うのだ。むしろ意見として考え方としてそれを尊重すべきではないのか。もちろんこれに対して抗議するのも一向にかまわない。

しかし私はこのギニョルの番組を残念なことに見てないのでそれ以上はいえない。が、もっと背後にフランスの持つ意地悪な乾燥した表現の側面が見て取れるというのならそれも論議の対象にしてよいのではないかと思う。

なんでもいったほうがいいのだろうが、悲しいことにフランスのメデアも日本もそんなに本当のことを正面から述べてはないような気がする。自己規制や自己検閲が多いのだと思える。裏を返せば政治的なイデオロギーの色もあるということだろう。


(参考記事)