2011年5月25日水曜日

EUのアサド制裁で 国連・アラブ連盟に更なる制裁迫る アムネスティ・インターナショナル

5月23日に欧州議会(EU)はシリアのバッシャール・アサド大統領に対し新しい制裁措置を決めたことで、シリアの市民への激しい弾圧を加えたアサド体制に厳しい姿勢で国連(ONU)やアラブ連盟に決断を引き起こすものと人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルでは評価している。一方でアムネスティ・インターナショナルでは更なる制裁を国連(ONU)やアラブ連盟もアサドとその取り巻きに課すべきだとしている。

23日に欧州議会はアサド大統領と政府の最高責任者に対し個人の飛行機を凍結させ、また欧州諸国への入国を禁止した。

アムネスティ・インターナショナルのマルコルム・スマート中東・北アフリカ部長は「欧州と米国がシリアのアサド大統領とその協力者に対策を講じたことは評価するが、それでは不十分であり、遅すぎた」と述べて、さらに、国連安全保障理事会は今後は、シリアに対して決意を固く持って、リビアでのカダフィ大佐が自国の国民に対して攻撃をおこなった時とおなじように、対応してゆけるのではないかと見ている。

具体的にはここ数週間に渡りシリア政府がおこなってきたことで、国連安保理はオランダのハーグにある国際刑事司法裁判所(ICC-CPI )検事にこのシリアの現実を今すぐ提訴するべき時である。

国連安保理は誤れるシリア政府へこのような手紙は送ってないということだ。シリアで彼等の権力下で行われている犯罪を裁くことと義務を履行することから逃れられないということを、シリアの指導者によく明確にわからせるようにしなければならない。

アムネスティ・インターナショナルは最近までの2ヶ月間で殺害された720人の名簿をシリア政府軍へ送った。その中には5月20日と21日に60人が殺害されていることも書かれてある。

数千人の他の市民もシリアで長らく行われてきた機械的なやり方で秘密の拘置所に監禁され拷問の危険を受けてきた。

「アラブ連盟も同様にシリアに対して責任を果さなければならない」とマルコルム・スマート部長はいっている。

さらに部長は「国連とアラブ連盟はシリア軍隊を完全封鎖する方策をとるべきで、アサド大統領とその取り巻きの世界中への渡航を禁止するべきだ」と宣言している。


(参考記事)

Les sanctions de l'UE contre la Syrie doivent encourager l'ONU à agir avec plus de fermeté | Amnesty International