仏社会党の大統領候補予備選挙(プリメール)の第三回目のデバ(討論会)は12日夜20時45分からフランス国営放送テレビA2で始まった。第一次選挙で残ったマルチーヌ・オブリ社会党書記長(仏北部のリール市長)とフランソワ・オランド社会党前書記長(仏中央部のコレーズ地方審議会議長)の二人が出席し、テレビ視聴者は600万を超えた。両者の違いを細かく探して対立の構図を描こうとするテレビ報道は多いのだが、両者が共通して強く主張していることにフランスを劣化させたサルコジ大統領を打倒する反対勢力の社会党の強さと頑強さがあった。
討論のスタジオには市民が30人以上は出席していたが、笑い声が会場から起こったのは、オランド氏が、フランスのテレビ局-、例えばこのA2だがとして、サルコジ大統領が局長を任命している。私はそういうことはしない。と語ったときであった。
今のフランスでは大統領が悪いことをしても裁かれないという特権を廃止して、法律の前にすべての市民が平等であるようにするとオランド氏は民主主義の実現を語っている。2002年ごろにはみんないなかったのを立ち上げて来た。オブリさんは父親が初代の欧州議長であることからそれを少し匂わせたが、オランド氏は「普通の大統領」を看板に掲げていて千輻輪を付加することで手足に怪我をすることを嫌っている。
またサルコジ大統領によって司法権の独立が脅かされてきたが、この独立を実現していくと語ったのには、オブリ氏も首を振って同意していた。
面白いことに、討論会が終了してから楽屋に戻る途中で質問に立ったジャーナリストの一人でA2の政治局長をしているフャビアン・ナミアス氏がオランド氏に近づいて来て手を差し伸べて挨拶した場面がカメラに少しだけ写されている。同氏の性格かもしれないが嘘の余りうまくないジャーナリストでしばしば本当のことをしゃべるので人気がある。
今回の討論会は第一回目と異なり座って行われた。両者は向き合って設定された対立した当初の座席設定ではなくて、司会者・質問者と三角形に並べられたテーブルにそれぞれ座った。この座席変更は社会党からの要請だといわれていているが非常に大事なことである。
テレビ視聴者は町の酒場や喫茶店などにも陣取って集団でテレビ討論会を観戦した。フランスのこの情景は実に選挙の民主化を表現しているものだ。これをベルギーのテレビなどが伝えている。最終と票日は16日だ。[2011年10月13日 @ 17:50 -paris]