11月15日にプジョー・シトロエン(PSA)の欧州全体では6000人解雇(内、フランスでは5000人)が持ち上がって、労働者と組合や各政党内に大きな心配が渦巻いている。17日サルコジ大統領は第3回投資戦略基金(FSI)の会合で演説し、解雇問題が騒がれているプジョー・シトロエン(PSA)グループへの社会援助はないことを宣言した。サルコジ大統領がこれに介入して解雇無しの方策を打ち出して、企業内もしくは企業外へ移転及び転職させるとしている。
政府は自動車業界への新車購買促進補助金の供出など資金援助をこれまで施しているわけで、自動車産業の外国移転が無いことがその条件でもあった。それが労働者の大量解雇を出すことになれば政府の政策的な失敗だと見られることになる。これを回避しようとしているようだ。
プジョー・シトロエン(PSA)グループの社長フィリップ・ヴァラン氏は16日夜と17日朝に2度ほどサルコジ大統領と電話で話したあとで、17日夜にはエリゼ大統領官邸にヴァラン氏を招聘し1時間半の密会となった模様。会合にはグザビエ・ベルトラン健康相(前労相)とエリック・ベッソン産業相が出席したとされる。
会合後の記者会見でヴァラン氏は、サルコジ大統領の方策(解雇無しで、企業内もしくは企業外へ移転及び転職させる)ではどんな解雇対策にもなってないし、年齢も考慮されてなく、フランスの産業グループに根ざした原因を立ち直すことにはなってないと繰り返し話したという。
解雇されないのは、サルコジ大統領の方策が直接に適応されることになった約2000人だとされる。