4日、フランソワ・オランド仏社会党(PS)大統領候補(党前書記長)はドイツのベルリンで開催される独社会民主党(SPD)の総会に名誉招待され訪問中。5日にはドイツ-フランスの新らしい協定の基礎となる、特に国家の主権に関係する講演がなされるらしい。4日夜の晩餐会の折には、SPD議長のシグマル・ガブリエル(Sigmar Gabriel)氏や元大臣のペール・シュタインブリュック(Peer Streinbrück )氏、フランク-ワルター・シュタインマイヤー(Franck-Walter Steinmeier)氏などと、欧州条約の再検討、欧州中央銀行(BCE)の役割、財政投資の課税化などが話された。
同伴した社会党(PS)衆議院議長ジャン・マルク・アイロー議員は、「フランス社会党(PS)が2012年の大統領選挙で勝利したのなら、次の2013年には独社会民主党(SPD)が勝利する番になる」と話した。
オランド氏は12月1日のサルコジ大統領のトゥーロン講演に触れながら、国家の主権をフランスが放棄しているとして、オランド氏は独仏の主権の不均衡を訴え両国の平等な主権を説いた。
11月30日にブリュックセルを訪問したオランド氏は、「もし私が、来年5月に大統領になったらば、アンゲラ・メルケルは私を交渉相手としてみるだろう」と、記者会見で話していた。
そのためには、ニコラ・サルコジの政治で失業と赤字、借金が増え経済成長も後退していてはだめだという。フランスを弱者としてドイツに従属させているのではだめだという。オランド氏は実際はフランスは経済面でも弱くはないのだと考えているようだ。
独仏が平等にうまく協調していない理由にはフランスの弱体化とドイツの高成長が両者の不均衡をつくっていて危険になっているとロラン・ファビウス元首相(仏社会党)は指摘している。
アルレム・デジール欧州議員はベルリンで自分のブログにサルコジ大統領はドイツに対する激しい攻撃の発言をしているとして、2007年の4月17日の発言をあげている。「フランスはけっして全体主義の台頭を許さない。フランスは絶対に人民を皆殺しにしない。フランスは絶滅策を行わない。フランスは人権違反と戦争犯罪を行わない」
オランド氏と共にベルリンを訪問したのは、オランド氏の大統領選挙のスポークスマンも兼ねるジャン・マルク・アイロー議員、マニュエル・バルツ社会党(PS)エブリー市長。元パリ・マッチ誌のジャーナリストでオランド氏の連れ合いのヴァレルー・トリエルワイダーさんなどだ。
5日朝9時開催のベルリンでの独社会民主党(SPD)総会では、当然オランド氏は将来の欧州通貨に関して話されることが予想されている。その同日の数時間後には、これと対照的にサルコジ氏とメルケル首相がエリゼ大統領官邸で会見し欧州の財政危機を討議することになっている。
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