2012年1月14日土曜日

仏のトリプルA喪失で、仏独カップルの足並みが混乱 サルコジ大統領は責任回避か

13日、格付け会社の一つスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はフランスの格付けをトリプルAからAA+に落とすのは時間の問題となったという。これはすでに3ヶ月前に予告はされていて、結局はフランス政府の努力は実らなかった。20時のフランス国営放送テレビA2に出演したフィリップ・バロワン経済相が質問に答えている。フランス国営放送テレビA2の報道担当者ロラン・ドラウース氏はいつもはサルコジ大統領支持の態度だが今回は、サルコジはトリプルA喪失の責任者としては姿を出したくないらしいと皮肉った。

バロワンは、良い知らせではないことを認めた。フランス経済とあなた方の政治へのサンクションではないか、政府の失敗ではないか?との質問には、バロワンは、この知らせはユーロの崩壊を防衛するために必要であると答えている。同テレビでは、市民の意見が紹介されて、ある婦人は家を買うのにも金を借りるのが難しくなってくると話した。4%の利子が4.7%になるからだという。フランスがトリプルAAAでなくなったことを心配しているとの声がフランスでも一般的になった。

バロワンは我々は今年は去年に比べて借金がすくないと語った。(今後)競争に強い提言をしてゆく、経済の引き締め計画はこれ以上はやらないとも語った。ドラウースがフランスは大国であるのに何故、格付け会社に従う必要があるのか?との質問には、バロワンはこれはフランスだけでない借金を少なくするためだと答えている。今後はギリシャはもっと酷くなり破産寸前になる。フランスがトリプルAAAを失ったことで、欧州の欧州中央銀行(BCE)がその火消し役になるという。

欧州ではトリプルAAAはドイツのみが保持することになり、これまでの仏独カップルは見せかけであったことが明快になった。バロワンはこれは5年間のサルコジ政治の失敗ではなく、欧州の問題でありドイツといっしょだったと主張してみせている。

フランスのトリプルAAA喪失が政治的なものだとするメディアは多く、何もこれで問題が起こるわけではないとする評論家もいる。しかしこの格付けが下落したことでフランスは欧州とは別に経済面での失業や雇用、生産に障害が出てくることは眼に見えている。実はこのトリプルAAAを無くすことがフランスにとって最重大視していたのはサルコジ大統領であったからだ。そのため仏独カップルの無し並みが今後さらに乱れることが予想される。

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