2012年4月2日月曜日

トゥールーズ連続テロ殺害事件 仏特殊警察の「操作」「片付け」をアルジェリア人弁護士が告訴

フランス南西部地方で起きた3月中旬のモントーバン・トゥールーズ連続テロ殺害事件で計7人の犯行者となったアルジェリア人青年モハメッド・メラ(32歳)は、フランス警察のエリート部隊である特殊警察の32時間に渡る長期介入の末にトゥールーズの自宅で殺害された。が、これを同青年の父親は、「片付けられた」として仏裁判所を訴えていることが1日に明らかにされた。近く弁護士がフランスを訪問する。

モントーバン・トゥールーズ連続テロ殺害事件は3月11日、15日、19日にそれぞれ、アフガニスタン派遣部隊のモントーバン・パラシュート隊員3人、ユダヤ人学校の教員と生徒3人の計7人が殺害された。犯行者の青年がイスラム主義と深く関係していたことから、事前のフランス政府の監視や追跡の有無がどうだったのかが問われている。そのいかんいよっては、この事件を大きく取り上げたことでサルコジ大統領の大統領選挙戦での世論操作との関係の有無も解明されることが待たれるところだ。


フランス通信(AFP)によると、弁護士のザイラ・モッカタリ師は、「我々は2本のフィルムを手に入れた。それぞれのフィルムは同じものでモハメッド・メラが警察に対して、どうして私をころすのか?(・・・)私は無罪だ」と記者会見で宣言しているものだ。同弁護士はこのビデオの真実が明かされることを望んでいるとしているという。

ゲラン仏内相へのフランス通信(AFP)のコメント要請に対しては何もないとしている。否定も肯定もしてないようだ。

ザイラ・モッカタリ師はアルジェリア青年モハメッド・メラは、仏特殊警察によって操作された後に、真実が解明されないままに片付けられたと見ている。

同特殊部隊のアモリー・ド・オートクロック隊長は、メラ青年との交渉が途切れた直後には、「私はムジャイディンで、私は武器を手に持って死にたい。あなた方は私を倒すだろう。仏特殊警察と闘うことは私の大変に誇れるものであり願うところである」と青年は言っていたとAFPに語っている。

メラ青年が死んだ翌日に仏特殊警察のド・オートクロック隊長は、自宅のアパートに避難したメラ青年に関して、「最後まで彼にチャンスを与えた」のだとして、前と少しニュアンスの異なる宣言をAFPにした。

フランソワ・ミリオンパリ検事側では3月22日に宣言して、「初めに確認されたところでは仏特殊部隊との撃ち合いはすべてメラの決断と意思によるものだ」としている。

メラ青年はパキスタンやアフガニスタンを旅行してアルカイダと接触していることから、渡米が禁止されていた。が、ベルナール・スクァルシニ仏国内秘密情報局(DCRI)長は4月3日にAFPに対して、「DCRIではメラ青年のどんな手がかりも無かったし他の外国やフランス情報局も同様であった」ことを確認している。


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