22日の仏大統領選挙の第1次投票結果では社会党のフランソワ・オランドが勝った。現大統領のニコラ・サルコジは負けた。もし負けたら政治生命を絶つと既に発言していただけに今後の移民排斥とイスラム排除の右傾化キャンペーンはさらに熾烈化することが予測される。今回の第1次投票での左派の勝利は、官製メディアが正しく人々の意見を報道してないことが次第にフランス国民に理解されてきたからだ。真実は報道とは逆の方にあったのである。
フランスは民主主義を実現する人々の自由な意見の主張と交換のメディア(回路)が閉ざされている。
第1次投票前にデバ(論争)という名目で一度だけフランス国営放送テレビA2で10人の候補者が別々に官製ジャーナリストの前で発言している。そのために各党間のデバ(論争)は一つも無かったのである。デバ(論争)のない仏大統領選挙が問題になっていた。ところがサルコジが第1次投票で負けるやいなや急変して第2次投票前ににデバ(論争)を3回やるのだといいだした。まったく可笑しなことである。
23日にはラファラン元首相は第2次投票までにデバは毎日必要であると発言していることを仏国営ラジオ・フランス・アンフォが伝えている。国民運動連合(UMP)のいうことは二転三転して自分の都合で発言していることがわかる。第1次投票前にデバがあればサルコジは各党から粉々に批判されて第三位にもならなかったかもしれない。極右派の国民戦線(FN)のマリーヌ・ル・ペンの上昇が示すようにサルコジの存在はすでに意味のないものになっていたことがわかる。
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