仏大統領選挙の決戦デバ(論争)はこれまで通り伝統的な1回でよいと主張するのはフランソワ・オランド社会党大統領候補だ。時間を長くかけて十分に論争すればよいといっている。サルコジ大統領が第1次投票でオランドに負けるやいなや宣言し、第2次投票前のデバは3回やるのだとオランドに迫ったからだ。このことで社会党の議員からは、サルコジは何度も追試を受けたがっている落第生のようであると反駁されている。
23日の第1次投票結果のあとのフランス国営メディアはサルコジ寄りの報道が目に付く。24日はオランドはブルターニュで講演して観衆から大きな拍手を受けているが、この箇所が仏国営ラジオ・フランス・アンフォでは音がかき消されて聞こえないように報道されている。サルコジのトールでの講演の場合では聴衆の拍手は長く時間を取って強調して報道された。
同様に欧州各国の反応を報道している場合でもサルコジの支持を強調している。サルコジが負けて政界から引退すればこの官製メディアの人々はいったいどうなるのだろうかと危ぶまれる。大統領特権が行使できなくなり裁判所が介入できるからだ。同様に周辺の者たちも裁かれる道筋が開かれることになるだろう。
しかしオランドは処罰とか整理とかいうことはしないだろう。あるとすれば、公正な裁判を行うことだけだろう。サルコジの政治とは異なる明快なものになると期待できる。