2012年6月29日金曜日

ノーベル平和賞受賞者スーチーさん エリゼ官邸でオランド仏大統領に大乗仏教と政治を語る

1991年のノーベル平和賞受賞者であるアン・サン・スーチーさんはフランスを訪問しオランド仏大統領とエリゼ大統領官邸内で共同記者会見した。その中でスチーさんは大乗仏教と政治の関係を話している。夜の会食でもスーチーさんはオランド大統領に、「女性が半数の内閣をあなたが本当に選んだのですか?それとも彼女たちがあなたに要請したものなのですか?」と質問を発し会場をなごやかにした。


スーチーさんは60年代に英国で哲学と経済を勉強している。仏文化相によれば彼女のユーモアは英国的なものであるという。1988年にビルマに立つ前に結婚した。子供たちはスイスと英国にいるという。スーチーさんは大統領官邸での夕食会の始まる前に、自分が監禁生活の中でフランス語をカセットで勉強してビクトル・ユゴーからオニオン・スープまで学んだことを話した。

この仏語を学んだことは25日夜のフランス国営放送テレビA2に招待された時も話しフランス語でも話してみせた。ここでは軍の支配下で囚われていたことで司会者のダビッド・プジャダス氏がフランスのトータル石油との癒着に触れると、スーチーさんは「今度は自分たちがその軍部と接触してゆくのです」「軍と一緒に働くことになるのです」と正面から捉えて話している。

スーチーさんは過去に囚われの身であったことで、「軍部を怨んでない」「ジェントを敵と思わなかった」とも説明している。そこには自分が大乗仏教徒で反対者や敵を拒絶しないで受け入れるという西洋とは異なる仏教の世界観がありそれを体現していることを誇りにしているという意味の発言があった。が、司会者はその深い意味には皆目検討がつかなかったようである。

このことはオランダ氏とのエリゼ大統領官邸での記者会見の時にもスーチーさんは自身が北伝仏教徒であり政治や経済発展だけでは人間の尊厳は実現しないことなどを話している。しかし、それを日本の各新聞社はどこも伝えてないのはどうしたことか不思議である。