2012年12月19日水曜日

仏映画スターのド・パルデュー氏  仏パスポート返還 脱税行為のモラルが非難

フランスで脱税行為が問題になっている仏映画スターのジェラール・ド・パルデュー氏は仏社会党 (PS)政権のジャンマルク・アイロー首相に、「かなり、かわいそうな人だ」と指摘されて、これを不服としてフランスのパスポートと社会保険カードの返還宣言をした。ド・パルデュー氏は、「フランスを逃避して国外に住んでいる人々はすべて自分が批判されたようなことで国を出ているのではないと」日曜新聞 (JDD)で脱税疑惑の反批判を行なった。ミッシェル・サパン労働相は、「かわいそうだ」と首相が言った言葉は人格を指したものではなくてその人の態度のことなのだとラジオ・ヨーロッパ1とパリジャン=今日のフランス紙の共同記者会見ル・グランジュールの席上で話した。同労働相は、「たくさん金を儲けた人が税金をたくさん払うのは当然なのだ」とドパルデユー氏がまじめでないとしてアイロー首相の肩を持ちながらその脱税行為のモラルに欠けた態度を糾している。
ド・パルデュー氏は仏国境から数キロしか離れてないネッシン (Néchin)の村に引っ越してベルギーの住民になった。

「私をかわいそうだと決め付けるあなた達はいったい何様なんだ?」とアイロー首相の放った「あわれだ」という言葉に怒りをぶちつけている。またスターはフランス人とフランスの歴史が好きだと強調している。しかしスターはベルギーに引越した理由は税金逃れだとはいわなかった。

同氏は仏首相とオランド仏大統領に対して、「自分はずっと税金を支払っている」「2012年の85%の所得税を払ってフランスを出てゆく、自分は保険カードを返す」「私は45年間に1億4500万ユーロ (約145億円)の税金を支払ってきた」「私は80人を雇用している」などと話している。

テレビ3ではアルレム・デジィール仏社会党書記長が出演し、「パスポートは税金額で発行されているのではない」「経済危機の時に大物がその税金を払う行為をとるべきで、 (庶民は同じ船に彼らが乗っていることを)それを人々は望んでいるのである」とスターの自分だけ税金をはらわないで国外に逃れた身勝手な行為を諫めている。

フィリペティ文化相は、「まったくスキャンダルなことだ」「この行為は重大だ」「その中でも税金を払うという行為は義務であるのに」とBFM TVに出演して話している。

これに対しサルコジ政権下で廃止された人権大臣を務めたことのあるラマ・ヤダ氏は、ド・パルデユーの国外逃亡は社会党の高額所得者への配慮がたらない高い税制にあると政府批判の言葉をヨーロッパ1ラジオで述べた。

ド・デパルデユーの国外逃亡はパリのホテル物件の売り出しと時期が重なり話題になっていた。

歌手のミッシェル・サルドー氏は周囲の人のすることを自分は批判はしないが、自分だったら国外に出てゆくことなどはしないと意見を述べている。

中小企業会長のローランス・パリゾー氏は、社会党政権の高額所得者への税制を批判しながらも、アイロー首相の「かわいそうだ」という言葉は、ド・パルデユー氏の人格を批判した言葉ではなかったのだと冷静な指摘をしている。