2013年5月18日土曜日

カラチ武器販売コミッション バラデュー派のスイス隠し口座から世論調査費用として使用

  バラデュー元仏首相は、カラチやサウジアラビアへの武器販売コミッションの一部を1995年の同氏が出馬する仏大統領選挙の世論調査費用に当てていたとする有力な証拠を握ったとカラチ事件の財政面を担当するルノー・ヴァン・リュインベック判事が17日に明かした。この世論調査は1994年10月と1995年1月に米政治学者でリーガン元米大統領の諮問官として有名なポール・マナフォー(Paul Manafort)を使ってバラデュー氏出馬の人気を調査した二つの世論調査費用(52000ドル)の一部として使われたと同判事は見ている。17日の仏国営ラジオ・フランス・アンフォは夜を通して何度も繰り返し報道した。 

Affaire Karachi: le juge Van Ruymbeke aurait la preuve d'un financement de la campagne Balladur










  2002年5月8日にパキスタンで起こったカラチ事件では15人(内フランス人11人)が殺害された。これはフランスのカラチやサウジアラビアへの武器販売契約に結びついた(合法)のコミッション支払いに対しジャック・シラク前大統領が対抗馬のバラデュー氏に(違法)のコミッションが流れることを恐れそれを停止させた。コミッション支払いが止まったことでこれを不服として報復テロ行為がなされたと見られている。しかし、8年後のカラチで起こった仏人技師殺害テロ事件との関係はいまのところ弱いものと見られてきている。

 今回判事の明かしたのはバラデュー派へながれた(違法)のコミッションが世論調査に使用されたことを突き止めたことだ。 

 賄賂コミッションは武器販売の相手国に支払われるもので当時は合法的なものであったが、それが還流コミッション(違法)となってスイスの口座に隠され、そこからレバノン人ジアド・タキエディンら仲介者によってバラデュー派へ資金が運ばれたと判事は見ている。

 パキスタンへの潜水艦売買契約の調印はバラデュー元仏首相のスポークスマンで同政府の財務大臣であったサルコジ前大統領が担当していたとされる。今後の調査は急速に前進することが予測される。